美容室の経営では、「カットやカラーの技術があればお客様は自然に来てくれる」と考えていませんか?
実際は、どれだけ腕が良くても、それだけでお客様が増え続けることはほとんどありません。
多くの美容室オーナーが悩んでいるのは、次の2つです。
- 新規のお客様がなかなか増えない
- 来てくれたお客様が、次も来てくれるとは限らない
こうした悩みを解決するには、お客様に選ばれ続ける“仕組み”が必要となり、そのカギとなるのが、記事のテーマでもある「マーケティング」。
本記事では、マーケティングの考え方から具体的な施策までを、美容室向けにわかりやすく解説します。
サロウィンではフリーランス美容師のためのシェアサロンだけでなく小規模〜大規模まで美容室経営のトータルサポートサービスを提供しております。 ご相談だけでも構いませんのでお気軽にお問い合わせください。 |
美容室のマーケティングとは?
マーケティングという言葉を聞くと、難しく感じる方もいるかもしれません。
美容室におけるマーケティングとは、一言で言えば 「お客様があなたの美容室を知り、来店し、満足して、また来たいと思ってもらう流れを作ること」
つまり、技術だけに頼らず、「選ばれ続ける仕組み」を整えるのがマーケティングです。
具体的には、次のようなステップを作ることがマーケティングです。
- 認知(あなたのお店の存在を知ってもらう)
- 来店(ネットや紹介などを通じて初めて来てもらう)
- 満足(技術・接客・空間で期待以上の体験を提供)
- 再来(また行きたいと思ってもらい、定期的に通ってもらう)
- 紹介(友人や家族におすすめしてくれる)
この「認知→来店→満足→再来→紹介」の流れをうまく作れている美容室が、無理な広告や値引きに頼らずに、安定した経営を実現しています。
今の美容室経営には「技術力+仕組み化=安定経営」が求められます。
次の章では、実際に「どうやって集客するのか?」「どうやってリピートにつなげるのか?」を、初心者の方でも実践しやすい形で紹介していきます。
美容室の新規集客に効くSEOとWeb施策
美容室に新しいお客様を呼び込むには、ネットを活用して「見つけてもらう」ことが欠かせません。
そのために最も効果的なのが、**SEO(検索エンジン最適化)**です。
検索されたときに、あなたの美容室が上位に表示されるようになると、お客様の目に留まりやすくなります。
① まずは「狙うキーワード」を決めよう
SEOで成果を出すためには、「どんな言葉で検索されたときに自分のお店を見つけてほしいか」をはっきりさせることが大切です。
美容室で使えるキーワード例
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② キーワードは“絞る”のが基本ルール
「たくさんの人に来てほしい」と思って、1つの記事にいろんなキーワードを詰め込みすぎるのは逆効果です。
複数のキーワードが混ざってしまうと、Googleが「この記事は何について書かれているのか?」を正しく判断できず、検索上位に表示されにくくなります。
🔑 ポイント
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「誰でもいいから来てほしい」と広く書くより、「このお悩みの人に届けたい」と絞って書く方が、結果的に検索でも見つかりやすくなります。
③ 月に3~5本のブログ記事投稿が効果的
ホームページにブログ機能がある場合、月3〜5本のペースで記事を投稿しましょう。
おすすめの内容
- FAQ形式:「白髪染めはどのくらいの頻度でやるといい?」など、お客様からのよくある質問に答える形の記事
- 施術事例紹介:「40代女性のお悩み解消|髪質改善のビフォーアフター」など実体験を紹介
- 比較記事:「白髪染めとヘアマニキュア、どちらが良い?」のような選び方を解説する内容
💡1記事1テーマに絞って書くと、Googleにも読者にもわかりやすくなります。 |
④ ホームページの導線も見直そう
ホームページに来た人がすぐに予約できるような仕組みになっているかも重要です。
最低限やっておきたい改善ポイント
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迷わせない、すぐ行動できる構成が集客率を大きく変えます。
⑤ Googleビジネスプロフィールの最適化
Googleマップに表示されるあなたの美容室の情報も、SEOと同じくらい大事です。
ここでできること
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Google検索やマップ上でも、地域のお客様に見つけてもらいやすくなります。
\ まとめ /
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リピート率UPのLINE×カルテ活用法
美容室の売上や安定した経営にとって、とても大切なのが「リピート(再来店)率」です。
せっかく新規のお客様が来てくれても、1回きりで終わってしまっては、いつまでも新規集客に追われることになります。
そこでおすすめなのが、LINEと顧客カルテを使った“リピートの仕組み作りです。
①LINEを使った顧客フォローの流れ
お客様は、一度来店した後に「また来ようかな?」と思っても、日々の忙しさで忘れてしまったり、他の美容室に目がいってしまったりすることがあります。
そこで、LINE公式アカウントを使ってお客様との接点を保ち、適切なタイミングで声をかけることが大切です。
具体的なフォローの流れ
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②顧客カルテの上手な使い方
LINEと連動させることで、顧客カルテの情報もリピート率アップに活用できます。
どう活用する?
- 来店間隔や施術履歴を確認して、次回のおすすめメニューを準備
→ たとえば「前回、髪質改善トリートメントをされたので、今回はカラーとセットがおすすめです」といった提案が可能に。 - 接客時に「前回のお悩み」や「希望スタイル」を振り返る
→ お客様に「覚えてくれていたんだ」と感じてもらえ、満足度もアップします。
\ まとめ /
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美容室のSNSマーケティングの成功ポイント
今の時代、美容室にとってSNSを使った情報発信は“必須”の集客ツールです。特に、InstagramとTikTokは、無料で始められて高い効果が期待できるので、積極的に活用しましょう。
Instagramの活用ポイント
Instagramは、写真や動画を中心に「お店の雰囲気」や「施術の実例」を伝えるのに最適なツールです。特に、髪型・ビフォーアフター・カラーなど見て伝わるものとの相性がとても良いです。
投稿の頻度と内容
投稿は週に3回程度を目安にアップしていきましょう。定期的に情報を発信し続けることが大事です。
投稿内容の例
- ビフォーアフターの写真:変化が見える写真はとても反応が良いです
- お客様の声(許可を取って):リアルな体験談は信頼につながります
- 施術に関するQ&A:「髪質改善はどれくらいもつの?」「白髪染めってどんな種類があるの?」など
ハッシュタグの使い方
ハッシュタグは、Instagram内で同じタグがつけられた投稿をまとめる“カテゴリ”の役割を果たします。ユーザーはタグフィードから興味のあるジャンルをブラウズしやすくなるため、ジャンル検索や関心喚起のために活用しましょう。
TikTokの活用ポイント
最近では、美容室の集客手段としてTikTokを使うサロンが増えてきています。TikTokは、短い動画で視聴者に印象を与えるSNSで、特に10〜30代の女性から強い支持を得ています。
美容室の「技術」や「雰囲気」は、写真よりも動きや表情で伝えられる動画との相性が抜群なので活用しましょう。
美容室向けTikTok活用の基本ポイント
①ビフォーアフター動画を中心に投稿
施術の変化が伝わる「ビフォーアフター」は定番で、再生されやすいジャンルです。
- 例:「髪質改善でうねりがサラサラに!」
- 音楽やエフェクトを使うと、雰囲気も明るくなり反応が良くなります。
②動画内で“お客様のリアクション”を入れる
お客様の笑顔や「すごい!」「変わった!」というひとことが入るだけで、信頼感やリアルさが格段にアップします。
③プロフィール欄に予約導線を設ける
TikTokには予約機能がないため、プロフィールにLINE公式やInstagramのリンクを設置しておきましょう。
→ 投稿に「ご予約はプロフィールから」の一言を入れるのもおすすめです。
④“地域+施術”をセットに
プロフィール、投稿、キャプションには髪質改善、 白髪ぼかし、○○市美容室など、施術内容+地域名を含めることで、検索されたときに発見されやすくなります。
⑤投稿は“週2〜3本”が理想的
毎日でなくても構いません。継続的に更新することが一番のポイントです。
TikTokを活用する美容師は増えてきていますが、まだまだ苦手意識が多いのも事実。今から始めることで他店との差別化にもなります。
よくある失敗パターンと改善方法
美容室のマーケティングでは、「いい施策を知っているか」だけでなく、“よくあるつまずき”をあらかじめ知っておくことも大切です。
ここでは、多くの美容室が実際にやってしまいがちな失敗と、その解決策をわかりやすく整理しました。
代表的な失敗とその改善策
よくある失敗パターン | なぜ問題? | 改善方法 |
ホームページに予約ボタンがない | お客様が「どうやって予約するの?」と迷ってしまい、離脱してしまう | ホームページの一番目立つ場所(ファーストビュー)に「予約ボタン」を常に表示。スマホでも押しやすいデザインにする |
SNSを途中で放置してしまう | 更新が止まっていると「やっていない店」と思われ、印象ダウン | 週1回まとめて写真や動画を撮影し、予約投稿機能を使って継続的に発信するしくみを作る |
顧客の情報を取っているのに活用できていない | 来店記録や希望スタイルが活かされず、提案力・信頼感が低下 | LINEとカルテを連携して、「前回の施術内容」をもとに次回の提案メッセージを自動で配信する |
💡ポイント
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よくある質問(FAQ)
Q1. ホットペッパーだけで集客は十分ですか?
- 初回のお客様を集めるには効果的ですが、リピートや指名には不向きです。
ホットペッパーは「今すぐ行きたい人」を集めるには便利ですが、クーポン目的で1回限りの利用になることも多いです。
大切なのは、自分の美容室に共感してくれる“ファン”を増やすこと。そのためには、自社のホームページやLINE、SNSでお客様との関係を深める仕組みを持つことが必要です。
Q2. SEOって本当に効果がありますか?
- はい、すぐには効果が出ませんが、続ければ“安定した集客”につながります。
SEO(検索エンジン対策)は、ブログ記事などを通じて「検索から来てくれるお客様」を増やす手法です。
効果が出るまでに3〜6ヶ月ほどかかることが多いですが、一度検索上位に入ると、広告費をかけずに安定した集客が可能になります。
Q3. Instagramをやってるけど、効果が出ません…
- 「誰に」「何を見せたいか」を明確にして、投稿の内容と目的を整理しましょう。
よくあるのは、「とりあえず投稿しているけど、反応が薄い」というパターンです。まずはターゲット(例:30代女性/白髪に悩む方など)を明確にすること。そして、「ビフォーアフターで信頼感」「施術内容で安心感」「クーポンで来店促進」など、投稿ごとに目的を決めることが大切です。
さらに、プロフィールに予約リンクやメニューの説明を入れるだけでも、反応が変わってきます。
まとめ
美容室経営で成果を出しているサロンは、技術だけに頼らず、「見つけてもらう仕組み」と「通い続けてもらう仕組み」を整えています。
それが、この記事で何度もお伝えした「マーケティング」です。
マーケティングに正解はありませんが、「動いた人」から成果を出していくのは間違いありません。
まずは今日、できることから1つだけでも始めてみてください。
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