「将来は自分のサロンを持ちたいけれど、何から始めればいいか分からない」「フリーランスって自由だけど不安も多そう…」そんな悩みや迷いを感じている美容師の方も多いのではないでしょうか。
今回は、独立出店に向けての資金集めとしてアシスタントとともにフリーランス美容師になったSALOWIN原宿ash店の立花大輝さんにインタビュー。
アシスタントと一緒に歩む働き方、SALOWINを選んだ理由、そしてフリーランスならではのリアルについて伺いました。
「フリーランスになりたいけれど、一歩踏み出せない」そんなあなたにとって、きっと背中を押してくれるヒントが詰まっています。
フリーランス美容師になった理由と今後のビジョン
―フリーランス美容師として働き始めて、どのくらい経ちましたか?
立花:今年の1月からなので、ちょうど半年くらいですね。
新卒から2社経験し、その後フリーランス美容師として独立しました。
―フリーランス美容師になったきっかけを教えてください。
立花:一番の理由は、将来お店を持ちたいという夢を叶えるためです。
実現するためには資金が必要で、フリーランス美容師の方が正社員よりもスピード感を持って貯められると感じたので、決断しました。
特に前のサロンに不満があったなどではありません。
しかし、「こうしたらもっと良くなるのに」とか、「自分だったらこう動くな」と思うことは正直ありましたが、中途入社だったこともあり、なかなか意見を通す場もありませんでした。
それなら自分で一からサロンを作った方が早いのでは?と思うようになりました。
―フリーランス美容師になることに不安はありませんでしたか?
立花:僕はアシスタントを連れてフリーランス美容師になったので、自分の人生だけでなくアシスタントの人生も背負っています。アシスタントの給料を払えるのか、自分がケガをして働けなくなったらアシスタントはどうしてあげるべきか、という不安は少しありました。
しかし、実際にやってみないと分からないし、動かなければ変わらないと思い、不安よりも挑戦しよう!という気持ちになりました。
フリーランス美容師の新規集客とリピート率アップの秘訣
―多くのシェアサロンがある中でSALOWINを選んだ理由を教えてください。
立花:もともとSALOWINの名前はよく耳にしており、知人が在籍していたこともあって気になっていました。
ちょうどフリーランス美容師になるか考えていたときに、サロウィン本部の知り合いの方から連絡をもらいました。その時に、今利用しているSALOWIN原宿ash店を提案していただいたのですが、原宿駅徒歩30秒という立地と新しい店舗という2つの点がすごく魅力的で、「今動かないと埋まってしまうのでは?」と思い、すぐに決断しました。
もちろん他のシェアサロンも候補にあり、全て調べました。しかし、条件面はそんなに大きく変わりませんでした。それなら、知り合いの美容師が利用している安心できる場所で働きたいと思って決めました。
―お店が変わってお客様の反応はどうでしたか?
立花:すごく喜ばれています。
今までに2回店舗を変えているので、また迷惑をかけてしまうかなと思ったのですが、原宿駅から徒歩30秒なので「通いやすくなった」とお礼を言ってもらえることが多いです。
事前にきちんと移動することを伝えていたこともあって、お店が変わったことでの失客はほとんどなかったです。駅近で移動時間の計算もしやすいみたいで、前よりも予約時間にきっちり来てくれる方も増えました。
常連のお客様たちには『移動してくれてありがとう』なんて言われています。(笑)
また、駅近になったことで『原宿駅徒歩30秒』という圧倒的な立地をSNSでも発信することができ、新規のお客様が増え、売上も上がりました。
嬉しいことが続いています。
―当日キャンセルなどはありませんか?
立花:ほとんどないです。
SNSでもキャンセルポリシーを記載していて、予約枠数が少ないこともお客様は理解してくださっています。急な体調不良など、どうしようもない場合以外はないですね。
これまではお客様の体調不良などしょうがない場合でもキャンセルが出ると正直すごく焦りました。しかし、フリーランス美容師になってからは金銭的な余裕ができたので、そこまで焦ることはなくなりました。
しっかり休んで、また元気になったら来て欲しいな、と思うことができています。
―半個室の環境はいかがですか?
立花:僕はお客様と話すことが好きでつい盛り上がってしまうのですが、半個室の空間にあり、気兼ねなくお客様とお話できることができています。
たまにインフルエンサーやアイドルのお客様も来てくれるのですが、ただ楽しいだけでなく、周りの目を気にせずゆっくり過ごしてもらえているのも嬉しいポイントです。
―接客や技術などで工夫されていることはありますか?
立花:僕は美容が好きというより、人が好きで、お客様と話していて楽しいから美容師をしています。
なので大好きなお客様たちが他のお店に行ってしまうのは悲しいので、そうならないように技術を上げるために日々頑張っています。僕がエクステができないから他店に行ってしまう、そんなことにならないように新しくエクステを練習したりとかします。
ちょっとメンヘラ気質なんです。(笑)
接客に関しては、お客様のタイプによって会話や接客を変えたり工夫をしています。お客様はほとんど女性です。アシスタントが女の子なので、僕と1対1にならないことも、お客様が安心できるポイントかもしれません。
―集客で不安はありませんでしたか?
立花:2社目に働いていたサロンは自己集客のみだったので、あまり不安はありませんでした。
InstagramやTikTokでの発信にも力を入れて、バズっている人の投稿を参考にしながら発信し続けてきました。しかしSNSでバズってお客様が増えるという経験が、僕にはあまりないです。
アシスタント時代からとにかくモデルハントで地道にお客様を増やしてきました。美容師のみなさんなら経験があると思いますがモデルハントは断られるというか無視されることがほとんど。そんな中でも来てくれるお客様なので、「来てくれたら絶対かわいくしてまた来てもらう!」という熱意を持って今までやってきました。
その方がお客様も離れづらいと感じています。
集客は気合と根性です。(笑)

180度変化!フリーランス美容師の働き方と生活
―フリーランスになって半年、働き方や生活はどう変わりましたか?
立花:180度変わりました。
空き時間は練習やSNSの更新など有意義に使えますし、仕事が終わっても先輩が残っているから帰れないということもないので、プライベートの時間も増えました。
僕はバレーボールが好きなのですが、今は社会人チームに入って毎週金曜日の夕方に通っています。正社員のときは絶対に参加できなかったので嬉しいですし、リフレッシュできています。
―プライベートの充実も大きいですね。
立花:大きいです。ワンちゃんも飼っているのですが、正社員の頃は、仕事中はずっとお留守番させてしまっていて、深夜に帰ってきて一緒に寝るだけのような生活でした。
しかし、今はお散歩も毎日できるようになり、一緒に過ごす時間が増えてとても嬉しいですね。
―逆に、フリーランスになったデメリットはありますか?
立花:正直、デメリットはあまり感じていません。
「人とワイワイ働きたい」とか「後輩を育てたい」という人には、もしかしたら少し寂しく感じるかもしれないですね。
しかし今利用しているSALOWIN原宿ash店は他のフリーランス美容師さんとの距離も近くて、スタッフルームで世間話をしたり、営業後に一緒にご飯に行くこともあります。
今日もみんなでご飯に行ってきます!
思ったより普通のサロンとあまり変わらなくて、1番ギャップに感じました。
通常のサロンよりも、モチベーションが高い人が多く、お互いに良い刺激を与えあえる素晴らしい環境です。
これからフリーランスを目指す人へのメッセージ
―将来的には自分のお店を持ちたいとのことですが、どんなサロンをつくりたいと考えていますか?
立花:美容業界にスタイリスト向けのサービスは多くありますが、アシスタント向けのサービスが少ないと思います。
僕自身、1社目のサロンが急になくなった経験をしました。その時僕はスタイリストだったので、他のサロンで正社員、業務委託として働くか、フリーランス美容師として独立するか、自分のお店を持つか、様々な選択肢がありました。
しかしアシスタントは別のサロンで0から始めるしかないです。自分の後輩たちが行き場を失ってしまうのを身近で経験し、それが僕の中でずっと引っかかっていました。
だからこそフリーランス美容師になるときも、ずっとアシスタントをしてくれた子を連れてシェアサロンで独立しました。
将来は、アシスタントにもちゃんと未来を用意できるようなサロンやサービスをつくりたいと思っています。美容師の誰もが安心して働けるような環境を整えたいです。
―最後に、フリーランスになりたいけれど不安で一歩踏み出せない人に向けて、メッセージをお願いします。
立花:フリーランスになるとお客様全員を自分で対応しなくてはいけません。
「このメニューを1人で施術するなら何時間で終わるか」を事前にしっかり把握しておくべきだったと感じました。
実際、最初の頃は詰め込みすぎてしまい、お客様をお待たせしてしまうこともあったので、これまで複数枠でサロンワークをしてきて、これからフリーランスになる人は意識しておくといいと思います。
僕自身は2年でSALOWINを卒業して、自分のお店を出すと決めています。すごく働きやすい環境で美容師仲間も良い方ばかりなので居心地も良いです。しかし、目標を決めないと、ダラダラとフリーランス美容師を続けてしまい、自分の独立出店の夢が遠のいてしまうとも感じています。なので2年で必ず資金を貯めて、出店します。
やりたいことが明確にあるのであれば、フリーランス美容師はすごくいい選択肢だと思います。不安になりすぎず挑戦することが大切なので、まず一歩踏み出してみてください。
フリーランス美容師としての今後、どう描く?
フリーランス美容師としての働き方は、自由度が高い一方で「今後どうなっていくのか」不安に思う方も多いはずです。
立花さんは、2年後の独立出店を目標にしつつ、その先には“アシスタントも安心して働ける環境づくり”を視野に入れています。今後フリーランスとして活躍する美容師にとって、ひとつのロールモデルになり得るでしょう。
