「一人ひとりのお客様と、もっと丁寧に向き合いたい」
そう思いながらも、働き方を変えることを迷っている美容師の方は多いのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、新卒で表参道の大手サロンに入社し、約8年間正社員として経験を積んだ後、フリーランス美容師に転向した石坂ゆうとさん。現在は完全個室のSALOWIN銀座VORT店を拠点に、得意のショート・ボブを活かし、マンツーマンでお客様を大切にする働き方を実現しています。
インタビューでは、フリーランス美容師を選んだ理由から、働き方や売上の変化、家族との時間を大切にできるようになった現在まで、リアルな経験を率直に語っていただきました。

お客様一人ひとりに向き合うためにフリーランス美容師に
―これまでのご経歴を教えてください。
石坂:新卒で表参道の大手サロンに入社し、約8年間正社員として勤務しました。その後フリーランス美容師に転向し、現在は独立して5年目になります。
フリーランス美容師になってからは、まず銀座エリアの別のシェアサロンで約1年間活動しました。その後、SALOWIN銀座店のオープンに合わせて移動し、さらに完全個室のSALOWIN銀座VORT店がオープンしたタイミングで現在の拠点へ移りました。
―フリーランス美容師に挑戦しようと思ったきっかけは何ですか?
石坂:正社員時代に売上が少しずつ伸びてきたタイミングで、掛け持ち前提の働き方が自分には合わないと感じるようになったことが、一番のきっかけです。当時はまだ下の立場だったため、自分のお客様を担当しながら、先輩のお客様のサポートに入ることも多くありました。
能力的にも性格的にも、同時に何人も対応するより、お客様一人ひとりと向き合う時間を大切にしたいという気持ちが強くなりました。
正直に言うと、最初からフリーランス美容師になると決めていたわけではありません。前のサロンを退社するタイミングと、シェアサロンが増え始めた時期、コロナウイルスの流行などが重なり、自然な流れでフリーランス美容師という選択肢にたどり着きました。
別の正社員サロンや業務委託サロンへの転職も一瞬考えました。しかし、正社員時代に友人に誘われて業務委託サロンで一度アルバイトをしたのですが、1日に多くのお客様をこなす働き方は自分には合わないと感じたため、選択肢から外しました。
その点、フリーランス美容師であれば、集客は自分で行う必要はありますが、マンツーマンでお客様としっかり向き合うことができます。その働き方に一番の魅力を感じ、フリーランス美容師に挑戦することを決めました。

表参道から銀座へ。顧客半減&コロナ禍でのスタート
―フリーランス美容師になったタイミングで、表参道から銀座へエリア移動をされたのでしょうか?
石坂:はい。当時は前のサロンの縛りが厳しく、同じ表参道エリアで働き続けることができず、銀座エリアへ移動しました。顧客様はある程度いらっしゃいましたが、移動のご案内ができたのはLINEでつながっているお客様のみでした。エリアも変わったことで、体感としては顧客様が半分ほどになった印象です。
また、独立のタイミングがちょうどコロナ禍の始まりと重なりました。フリーランス美容師になってから最初の3〜4週間ほどはどう動いていいかわからず、ほぼ休業状態でした。
―かなり大変なスタートでしたね。
石坂:そうですね。ただ、前のサロンがかなりハードな環境だったこともあり、不安よりも「自由な働き方ができる!」というワクワク感のほうが強かったかもしれません。(笑)
大変な状況ではありましたが、働き方を自分で決められるようになったこと自体は、すごく前向きに捉えていました。
実際に、感染対策になる半個室のシェアサロンで、周囲の美容室が長く休業していたこともあり、意外と来てくださるお客様がいらっしゃいました。結果的には、その環境に助けられたと思っています。
―最初は別のシェアサロンを利用されていたとのことですが、SALOWINに移っていただいた理由は何でしたか?
石坂:もともとシェアサロンを検討する段階で、SALOWINも見学していました。還元率や内装デザインに魅力を感じていたのですが、当時はまだ銀座に店舗がなく、SALOWINの店舗がある表参道エリアでは 前社の縛りの関係で働くことができなかったため、まずは別のシェアサロンの銀座店を利用することにしました。
その後、約1年ほど経ったタイミングでSALOWINの銀座店がようやくオープンすることになり、もともと第一候補だったので、すぐに移動を決めました。
一度別のシェアサロンを利用してみたことで、薬剤の手配のしやすさや、内装や建物のグレードなど、改めてSALOWINの良さを実感しました。本気で仕事に向き合っている勢いのある美容師さんが集まっている環境も、大きな魅力だと感じています。

フリーランス美容師になって変わったことは?働き方・売上・プライベート
―正社員時代と比べて、一番大きく変わったことは何ですか?
石坂:一番大きいのは、時間の使い方ですね。正社員時代は、朝から夜遅くまで後輩のレッスンやウィッグ制作で残ることがほとんどでした。
フリーランス美容師になってからは、営業時間を10時〜20時前後に設定し、スケジュールをすべて自分で管理しています。その分、空いた時間を集客や技術の勉強に充てられるようになりました。
最近は動画などで効率よく学べる環境も整っているので、限られた時間を有効に使えるようになったと感じています。
―集客はどのようにされていますか?
石坂:集客は自分のホームページをメインに行っています。20代の頃からパソコンを使った作業が好きで、自分でホームページを制作し、定期的に更新しています。
ショートやボブに特化しているので、スタイルやお悩みをウェブ上で検索して見つけてくださる方が多いです。ご来店いただくお客様の年齢層は40〜50代が中心ですが、大学生の方もいらっしゃいます。
―個室でマンツーマン接客になって、お客様の反応はいかがですか?
石坂:喜んでいただくことが多いですね。マンツーマンで個室になったことで会話が途切れにくくなり、以前よりも自然と深い話ができるようになりました。アシスタントが入らない分、会話や施術が中断されないのも大きいと思います。
以前よりお話される方が増えたり、髪の悩みについて相談しやすい雰囲気になったと感じる場面が増えました。
また、完全個室の銀座VORT店に移ってからは、シャンプー台への移動がないことで、スパやリラクゼーションメニューも提供しやすくなりました。
―売上はどのように変化しましたか?
石坂:独立したばかりの頃は、月30〜40万円くらいでした。今は安定して100〜120万円くらいで、繁忙期には130万円まで伸びました。
―売上を伸ばすために、意識して取り組んだことはありますか?
石坂:料金の見直しや、メニューを増やしたことが大きいですね。もともとカットが好きで、以前はケミカル系の知識はそこまで深くありませんでした。
しかし、フリーランス美容師になってからは勉強する時間が増え、使えるプロダクトや学べる情報も多くなったので、カラーやストレートパーマ、髪質改善などについても積極的に学べるようになりました。
通常のカラーにトリートメントを組み合わせたメニューや、髪質改善トリートメントを取り入れることで、結果的に単価アップにつながったと思っています。
カット料金も段階的に見直してきました。最初は税込7,700円でしたが、現在は既存のお客様が8,800円、新規のお客様は11,000円に設定しています。今の料金に変更したのは、1〜2年ほど前ですね。
―フリーランス美容師になって、私生活に変化はありましたか?
石坂:フリーランス美容師になってから結婚して子どもも生まれたので、生活は大きく変わりました。子どもは今2歳半になるのですが、保育園の送り迎えをしたり、日曜日を隔週で休みにしたりと、できるだけ家族と過ごす時間を作るようにしています。
正社員だとなかなか難しいので、こうした働き方ができるのはフリーランス美容師ならではの魅力だと思います。
―逆に、フリーランス美容師やシェアサロンのデメリットは感じますか?
石坂:フリーランス美容師になる前は、同僚がいなくて寂しいのではないかと思っていましたが、実際にやってみると、そこまで寂しさを感じることはありませんでした。お客様と話す時間が増えたことで、孤独感はあまりないですね。
強いて挙げるとすれば、集客や確定申告などをすべて自分で行わなければならない点でしょうか。特に確定申告は、いまだに毎年「これで合っているのかな?」と思いながらやっています(笑)。
個人的にはそこまで苦手意識はありませんが、数字の管理や事務作業が苦手な方にとっては、大変に感じる部分かもしれません。
―他のフリーランス美容師さんとの関係はいかがですか?
石坂:銀座店にいた頃はスタッフルームで話すこともありましたが、銀座VORT店は完全個室なので、それぞれ自分の部屋で過ごすことが多く、交流はそれほど多くないかもしれません。
ただ、挨拶やちょっとした会話は自然にありますし、技術の質問とかもあったりします。距離が近すぎない分、ちょうどいい関係性を築けていると思います。

今後の展望とフリーランス美容師を目指す方へのメッセージ
―今後の展望を教えてください。
石坂:子どもが少し大きくなって生活のリズムができてきたので、これからはもう一段階、売上を伸ばしていきたいと思っています。そのペースを自分で決められるのが、フリーランス美容師の良さですね。
―最後に、フリーランス美容師を目指す方や不安で一歩踏み出せない方に向けて、メッセージをお願いします。
石坂:とりあえず「決断すること」が一番大事だと思います。仮に思うようにいかなくても、働き方はいくらでも調整できます。僕自身も最初は不安でしたが「生活に困ったら空いた時間でフードデリバリーの配達員をすればいいかな」くらいの気持ちで踏み出しました。
決めてから考えても遅くないので、まずは一歩踏み出してみてください。「なんとかなる」の精神で挑戦してみてもいいのではないかと思います。

自分らしいペースで働くためのフリーランス美容師という選択
石坂さんがフリーランス美容師を選んだ背景には、「一人ひとりのお客様と丁寧に向き合いたい」という、シンプルでまっすぐな思いがありました。
エリア移動やコロナ禍という不安を抱えながらのスタートでしたが、働き方や時間の使い方を自分で決められるようになったことで、技術の幅を広げ、売上も着実に伸ばしています。
SALOWINは、高い自由度の中で、自分のペースを大切にしながら経験を積める環境が整っている場所です。「今の働き方に違和感がある」「もっと自分らしく働きたい」と感じている方は、フリーランス美容師という選択肢を考えてみるのもひとつの方法かもしれません。
