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メンズコスメブランド「RETØUCH(レタッチ)」とのコラボレーションで立ち上げた「RETØUCH by fifth(レタッチバイフィフス)」を初めとし、2024年も出店ラッシュだったfifth。主軸となるメンズサロンはもちろんのこと、レディース、ユニセックス、さらにはメンズアイブロウやレディースアイラッシュなど幅広いジャンルでの出店を続け、11月には大阪にプロデュースサロンをオープン。そんなfifthの勢いを後押ししたのが、全国にシェアサロンを展開するサロウィン株式会社の出店サポートサービスだといいます。
今回は、fifthグループCMOの木村允人(きむらまさと)さんに好調が続く要因やこれからの展望について、その中でSALOWINの出店サポートサービスを利用するメリットについて、サロウィン株式会社の中山さんを交えてお話しいただきました。
また、2社がコラボして新たにスタートさせる新サービス「FC BOOST」についての詳細も注目。技術や集客などfifthのノウハウを丸ごと提供し、SALOWINの運営サポートを受けながら出店ができるのだとか…?
出店を考えている美容師さん必見の内容です!
fifthという街をつくりたい

−2024年もいろんなところでfifthの話題が出ることが多かったです。もうすぐ1年も終わりますが、どんな1年でしたか?
木村:怒涛の1年で前半をもはやあまり覚えていないのですが(笑)。今年も出店が続きましたね。今、fifthグループは本部も含めて8法人があって、今年はグループ全体で25億ほどの売上着地になる見込みです。メンズ、レディース、ユニセックスサロンはもちろんですが、近年は新たにメンズアイブロウサロンや、レディースのアイラッシュサロンも立ち上げました。コンサルやオンラインサロン事業なども展開しています。
−以前、2016年まで年商が1億円だったと伺ったので、それを考えると爆発的な成長率ですね!

木村:ありがとうございます。その中で、SALOWINさんの「ALL SHARE」※ というサポートサービスを利用して渋谷や名古屋、福岡など、全国各地でサロンをオープンしたんですが、そのおかげでスピーディーに事業展開できたということも大きいです。サービスを利用して展開したサロンの年商だけでも2期で10億円近くを見込んでいます。
※ALL SHARE: 保有資産を抑え、財務を軽くするアセットライトな経営が可能。また物件探しから内装、水道光熱費、レジなどの店舗運営のハードとインフラの部分を肩代わりするサービスにより、サロンオーナーがよりソフト面に向き合う事も可能に。初期費用のコストが削減されるので、会社の現金をなるべく使わずに店舗展開が可能。
木村:ただ一方で、これで満足はしていなくて。今後30億、50億という世界線を見据えた時に、新しいキャッシュポイントも必要になってきます。そのために、僕たちが抱えている一番の資産である、お客さまをどう活かしていくかというのが課題。
そこで今考えているのが、fifthという経済圏をつくること。街をつくりたいんですよ。例えば、まだまだ構想段階ですが、アパレルなどの他企業とコラボして物販を仕掛けるとか、VIP会員制度をつくって、招待制でお客さまがお客さまを呼べるような仕組みをつくるとか。fifthという経済圏、街にいればいろんな情報、モノが手に入って、サロンワーク以上の価値を与えられる状態をつくりたいんです。
というのも、この時代お客さまはいろんなところから様々な情報を拾えるようになっているので、どれだけ個人が技術や接客を磨いたところで、一定数の人以外は目移りをして他に行ってしまうと思うんですよ。それは仕方がないけれど、その人たちが違うポイントでも僕らを忘れないとか、僕らを想起させて関わりを持ってもらう事業が必要だと思ったんですよね。会社として、LTV(顧客生涯価値)を上げるために。
サロンワークも、それ以外のあらゆる場面でもfifthグループのブランドを想起させて、お客さまを今以上に取り込む。さらにその顧客データを緻密にとって、活用してさらに新たなキャッシュポイントを生む。これがようやく実現できるような段階まで来ています。
fifthプロデュースで大阪出店をサポート。その狙いとは?
−いろいろな動きが今後盛り上がっていきそうですが、まずは11月に大阪出店があるんですね。
木村:fifthプロデュースのメンズサロンをオープンします。今まで関西に注力してこなかったのは、シンプルに勝ち筋を見出しきれなかったのが理由なのですが、ここ数年で状況も変わってきていて。これまで培ってきたfifthグループのリソースをうまく活用し、サポート先とシナジーを生めば、勝負できると思い、注力することを決めました。
現状で福岡や名古屋に店舗はありますが、ゆくゆくは全国に何かしらfifthの血を流したいという風に思っています。そのためにどういうエリアに出して、どういう人を採用して、どう組織化するかというのをパッケージ化できれば、他エリアでも多店舗展開ができると思うんですね。今回はそのチャレンジ的な意味合いも大きいです。
−今回の形態では、SALOWINさんの「me by,,」(ミーバイ)※ を利用されたそうですね。

※me by,,:ひとつひとつの個室が完全に独立した美容室を開業できるサービス。1つのフロアに、2〜6席のプライベートサロンが複数入る。小規模での出店が可能。
木村:そうです。「me by,,」(ミーバイ)は、良い立地にサロンを運営できる区画が既に用意されているので、僕らはリスクを少なくやらせてもらえるのがメリットですかね。あとはやっぱり、既に場所が用意されているので、自分たちで一からスタートするよりも圧倒的に早い。これがメリットだと思います。
昨年から「ALL SHARE」も利用して僕たちは出店を続けていますが、こちらに関して言えば、保証金や内装などの初期にかかる費用をSALOWINさん側に負担してもらって出店ができること、何より希望に叶う物件を探したり、お金を借りるといった時間のかかる煩雑な作業を負担してもらえるというのが大きいですね。経営側にとってはタイムパフォーマンスが良いサービスです。その浮いた分の時間やリソースを、教育やスタッフとのコミュニケーションに配分できますし。
fifthのノウハウをパッケージ化して出店希望者をSALOWINがサポート
−「me by,,」や「ALL SHARE」を担当しているサロウィン株式会社の中山さんにもお話を伺いたいのですが、サロン経営していく上でのサポートも手厚いとか。

中山:fifthさんの場合は本部がしっかりと機能しているのでそこまで必要はないのですが、「ALL SHARE」は財務諸表やキャッシュフローなども一緒にチェックさせていただいた上で、経営に関するアドバイスも行っています。必要であればそういった決算書の読み方もレクチャーします。
木村:経営に伴走してくれるというか。経営のパートナー的なポジションで入ってくれるのがいいですよね。僕たちも定期的な面談をして、今後の方向性を話し合っています。よくわからないまま一人で経営するよりも潰れるリスクが最小限になる。
−今後もfifthさんとSALOWINさんで新しいプロジェクトを?
中山:そうです。「FC BOOST」というサービスです。出店を希望する方に、fifthさんの技術やマインド、マーケティングなどの経営ノウハウをパッケージ化してお伝えし、SALOWIN側は物件などのハード面と運営サポートを提供していきます。簡単にいうと、fifthさんとSALOWINのタイアップサロンをつくる、ということですね。今後、フランチャイザー側(fifthのようなノウハウを提供する側)のサロンも順次増えていく計画です。

SALOWINは、美容師それぞれの理想を叶えられる仕組みをつくり、サポートする会社でありたいと思っています。一方で、現状だとメインで提供しているものは、サロンの箱や設備などのハード面が主体。でも、それって、そもそもそこで働く美容師さんや技術ノウハウなどのソフト面をサポートするためにあるものだと思うんです。だから集客や技術継承がうまくいかないとか、業界が感じているソフト面での課題を解決できるものをパッケージ化して丸ごと当てはめてしまえば、いち早く課題が解決できて、理想の状態がつくれるだろうと。そう感じたのがこのサービスを立ち上げた経緯です。
木村:僕たち側からすると、SALOWINさん側からの運営サポートを受けて、スピーディーにブランドの全国展開を見据えられるのがメリット。ただ、出店したい人がいれば誰でもいいのかというとそうではなく、fifthとして大事にしている技術やマインドの部分は絶対に継承させたいところ。だからそれが例えば社外の人でもできるのか、またどう判断するのかなど探りながらになると思います。今回の新しい業態のプロデュースサロンを皮切りに、関西での店舗展開を検討しているのですが、そういったことも考慮しながらのスタートになるかなと。
−そもそもですが、木村さんが店舗展開を急ぐ理由というのは?

木村:美容師を豊かにしたい、スタッフファーストでありたいというのが僕たちfifthの想いです。ですが、その理想が叶う受け皿、つまりサロンが圧倒的に全国に足りない。最近あった出来事なんですが、家庭の都合で実家に帰らなければならなくなってしまったスタッフがいて。そのエリアには僕らのサロンがないから、彼は辞めざるを得なかったんですよ。彼の安定した雇用を守れなかったということがすごく悔しくて。加えて最近では、いろいろな事情でフルタイムで働くことを希望しない美容師も多くなってきていますよね。今回の大阪もまずは業務委託サロンでの出店となるのですが、雇用形態にこだわらず、働き方の多様化に即した受け皿づくりが急務だと思ったからこそです。
中山:業界の課題解決に向けて、スピード感を持って事業展開していきたいという2社の考えがマッチして、一緒にやってみようということになりました。
木村:例えばSALOWINさんに所属しているフリーランスの人にしてみれば、fifthのリソースを使いながら「me by,,」のサービスを利用して出店する、ということも可能になります。逆もそうで、フリーランスからfifthに入社して、出店も含めた次のキャリアプランを描いていく、ということもできるようにしたい。ちゃんと美容師として頑張っている人が、この2社をうまく活用して大成できる状態をつくっていきたいですね。
『FC BOOST』について
https://salowin.jp/fc_boost/
『me by,,』について
https://salowin.jp/me_by/
『ALL SHARE』について
https://salowin.jp/allshare/