美容師としてキャリアを積む中で、「フリーランスに興味があるけど、本当にやっていけるの?」「月収って実際どうなの?」「将来が不安で一歩踏み出せない…」と感じている方は少なくありません。
そんな悩みを抱える方に向けて、今回はシェアサロンSALOWIN吉祥寺店で活躍するフリーランス美容師・鈴木勇介さんにインタビューを実施しました。
会社員としての経験、独立後の働き方の変化、収入のリアル、そして“この先のキャリアをどう描いているか”まで、赤裸々に語っていただいています。
「フリーランスに向いてる人・向いていない人って?」「どんな将来の選択肢がある?」そんな疑問を感じている方にとって、きっとヒントになるはずです。
将来を見据えて選んだフリーランス美容師の働き方
フリーランス美容師になって3ヶ月が経過しましたが、いかがですか?
2025年の1月からフリーランス美容師になって、もちろん不安がないことはありませんが、特にギャップも感じず、毎日楽しく美容師をすることができています。
新卒から約6年半、ずっと同じサロンで働き続けてきて、初めてのことだらけで全てが新鮮だなと感じます。
始めの方は誰に質問をして良いのかもわからず、掃除のやり方を勘違いしており、毎日大掃除のマニュアルを見ながら掃除をしていたので、「シェアサロンの掃除って大変だな」なんて思っていました。(笑)
今では、どんなに小さなことでも遠慮せずに相談できるようになり、周囲とのコミュニケーションも含めてフリーランスならではの環境を楽しめています。
特に実感しているのは、「すべて自分次第」という点です。
働く時間も、売上も、サービス内容も、価格設定も、自分で決めて動かしていける。この裁量の広さは、プレッシャーである一方でやりがいでもあります。
責任がある分、頑張った分だけ成果に直結するのは、会社員時代にはなかった大きな違いです。
「美容師としての楽しさ」と「ビジネスとしての面白さ」の両方を実感できている今、もっと自分らしい働き方を追求したいと思うようになっています。
フリーランス美容師に挑戦した理由はありますか?
「ずっと雇われたままではいたくない」「いつかは自分の力で勝負したい」——そう思い続けてきたタイプでした。
会社員として働いていると、「こうしてほしい」「こうなった方が良いのでは?」と意見や不満が自然と出てきますよね。でも、会社という組織は個人のために存在しているわけではないので、すべての理想が叶うわけではありません。
以前勤めていたサロンでは、SNS投稿やブログ記事の更新にノルマがありました。僕自身はそこまで気にせずやっていましたが、それが義務のように感じていたスタッフも多く、「美容師を楽しむ」というより「決められたルールを守る」ことが目的になっていたように思います。
全員が同じ結果を出せるようにルール化し、同じことをやらせるというのは、組織としては効率的ですが、もっと違うやり方で結果を出せた人もいたかもしれません。そうした環境の中で、自分の理想を実現するには、誰かに求めるのではなく「自分でつくるしかない」と思い、独立への関心が芽生えました。
とはいえ、いきなり店舗を持つのは大きなリスクです。そこでまずは、フリーランス美容師として“自分ひとりでどこまでできるか”を試してみようと決意したのが、挑戦してみようと思ったのがきっかけです。

将来につながるフリーランス美容師の3つの大きなメリット
フリーランス美容師のメリットはどこだと感じますか?
実際にフリーランスとして働いてみて、僕が強く感じているメリットは大きく分けて3つあります。
①自由に働ける
スケジュール勤務時間を自分でコントロールできるため、予定があればその日に休むこともできますし、朝をゆっくり過ごす、逆に夜だけ働くといった柔軟な働き方が可能です。ライフスタイルや目標に合わせた働き方を実現しやすくなりました。
②マンツーマン施術でこだわれる
これまでは回転率を重視した営業が求められていましたが、今はお客様一人ひとりにしっかり向き合えるマンツーマン対応が基本。骨格や髪質を丁寧に見極めながら、細部までこだわった技術を提供できるのが大きな魅力です。
③経営者視点で働ける
売上、価格設定、材料の仕入れまで、すべてを自分で決められることで「美容師」としてだけでなく、「経営者」としての視点も持てるようになりました。
「価格をこう変えてみたらリピートが増えるかも」「材料費を見直せば利益が増える」など、ビジネスとしての思考が日常的に身についてきています。初月は大変さもありましたが、今ではそれすらも楽しめるようになってきました。

フリーランス美容師の不安とどう向き合う?リアルな本音
フリーランス美容師になった時、不安はなかったですか?
大きく分けて3つありました。
① 顧客が本当に来てくれるか?
「独立して本当にお客様が来てくれるのか?」というのが最大の不安でした。退職してフリーランスになると決めた以上、1〜2ヶ月で「やっぱり戻ります」とは言えないという強い気持ちがありました。
ですが、結果として顧客の9割がそのまま継続来店。予約枠は少なくなったものの、安定したスタートが切れました。
ありがたいことに3月は繁忙期ということもあり、予約をたくさんいただき忙しくさせて頂いていますが、たまに時間空く時は近くのサウナかジムに行ってリフレッシュしてまた戻ってきたり空き時間も楽しんでいます。
② お客様が空間の違いに戸惑わないか?
前社が広々としたサロンで、良い意味でワイワイしている活気のあるサロンでした。
半個室の落ち着いた空間とは真逆ではあるので、「前の方が良かった」と言われたら…という不安はありました。しかしそのような声はなく、むしろ話しやすい空間になったので良かったです。
③ 美容師同士の交流はどうなるのか?
僕の勝手なイメージですがSALOWINは自分より歳が下の美容師さんたちがガンガン稼ぎたい場所、というイメージがあり、馴染めるのかという不安もありました。
しかし実際に利用し始めると、ママさん、パパさんも多く、自分が働ける時間をフル活用して美容師を楽しんで生活を豊かにする手段として利用している人もいたり、男女年齢問わずバリバリ働いていたり、色々な方がいるんだなと実感しました。
シェアサロンは、様々な強みや個性を持った美容師が集まる場所です。
少し不安はありましたが、人生経験豊富な大先輩のフリーランス美容師の方から直接アドバイスをもらえる機会も多く、今後キャリアアップを目指していく上で、非常に貴重な環境だと感じています。

フリーランス美容師 将来の選択肢と理想のキャリア像
今後の展望は?
僕はフリーランスっていう働き方は、ゴールじゃなくて“選択肢の一つ”として考えています。
どんな形であれ自分のお店を絶対に出すことを目標に、まずはフリーランス美容師として日々勉強しながら独立出店に向けて準備をしていきたいと考えています。
サロウィンにはフリーランス美容師のためのシェアサロンだけでなく、初期費用を抑えてサロンを出店できるサービスであるALL SHAREやme by ,, があります。
より自分の夢を現実的に考えられるようになり、美容師としての選択肢が広がることにワクワクしています。
最後に:これからフリーランスを目指す人へメッセージ
「フリーランス美容師になりたいなあ」と思っているうちは難しいと思います。
思いながら実際に何かアクションをしないと夢で終わってしまいます。
自分の得意なもの、あっているものを見つけて、ひたすら発信し続ければお客様は増えてくると思います。お客様を呼べるようになったらそのお客様を大切にして、それを武器にしていきましょう。
もちろん、新しいことに挑戦する時は不安や焦りはつきものだと思います。
しかし行動しないと、成長どころか現状維持以下になってしまいます。僕もフリーランス美容師に挑戦した時は、漠然と不安を感じていましたし、今も不安が全くないわけではありません。
しかし、悩んだまま今も正社員を続けているより、一歩踏み出した今の方が格段に良かったと自信を持って言えます。
ぜひ「自分の武器が何か」を見極めて、一歩踏み出してみませんか?