約24年間、美容師として駆け抜けてきた岡部さん。店舗責任者やフリーランス美容師など、さまざまな経歴を持つパワフルな方です。
そこで今回は、岡部さんに美容師になったきっかけから、フリーランス美容師になるまでのストーリーを聞いてきました。後半では、「福祉理美容師」の資格を取得した背景にも触れています。
▼プロフィール
岡部 裕子(おかべ ゆうこ):美容師歴24年、フリーランス美容師歴15年。「福祉理美容師」「アジュバンカウンセラー」の資格も取得している。
目次
・自分の癖毛がコンプレックスだった。だから、美容師を目指した
・エースもいれば、サポーターもいる。24歳で店舗責任者を任され、チームの育て方を学んだ4年間
・悩みが増える40、50代のお客様だからこそ、個室専有がありがたかった
・ゆくゆくは「福祉理容美容師」として、高齢者や妊婦のサポートがしたい
自分の癖毛がコンプレックスだった。だから、美容師を目指した
━━岡部さんが、美容師を目指したきっかけを教えてください。
岡部:小学生くらいから、「癖毛」に対するコンプレックスが強くありました。外見だけではなく、内面でも自信が持てずにいましたね。
しかし美容室に行くと、癖毛を活かした髪型ができたり、コンプレックスが和らぐ感覚があって。
「髪って、自信に繋がるんだ」と、幼いながらに実感できましたね。
そこから、「髪の悩みを抱えている人にサポートがしたい」という気持ちが芽生えめ、美容師への道を考えはじめました。
━━小学生の頃の夢が叶っていて、すごいです……!離職率が高い美容師、「辞めたい」と思った瞬間はありませんでしたか?
岡部:お客様に恵まれていたので、「美容師を辞めようかな……」と思ったことは、一度もありませんでした。
究極ですが、美容師に大切なのは「お客様に向き合う」ことだと考えています。
施術している時は、人と人とのふれあいです。
自分がネガティブになっている時は、自然とお客様にも伝染してしまう。それってとても悲しいことだと思うんです。
ずっとこのポリシーでやってきたので、美容師業界から離れることは考えていませんでした。
それよりももっと、「どうやったらお客様が満足のいく施術になるんだろう?」と追求する方が楽しいですね。
鋼のメンタルを持っている時点で、かなり恵まれていると思います(笑)。
エースもいれば、サポーターもいる。24歳で店舗責任者を任され、チームの育て方を学んだ4年間
岡部:私の美容師人生の中で、大きなターニングポイントになった時期がありました。
スタイリストデビューをした24歳の時に、一人で店舗を任されるようになったのです。10名前後のスタッフを抱えるサロンでした。
「マネジメント力」「チーム育成力」を、一気に鍛えられた4年間でしたね。
━━スタイリストデビューしたばかりなのに、いきなりハードな環境でしたね……。
岡部:そうですね……。今考えると、よくやったなと思います(笑)。
当時はまだ若くて、技術的にもまだまだでした。人をまとめる経験もなかったので「本当にこのサロンを回せるのか?」と不安でいっぱいでしたね。
とにかく、がむしゃらに働いた4年間。
精神的にも肉体的にもハードなことはありましたが、それでも続けてこれたのは、メンバーのお陰でしたね。
━━リーダーとして、メンバーとはどのように向き合ったのですか?
岡部:私が常に意識していたのは「適材適所」です。メンバーが10人前後もいれば、いろんな人がいます。
スポーツでも組織でも、「エース」が必ず存在しますよね。カリスマ性があって士気を高めてくれて、チームにどんどん貢献してくれる。
一方で忘れてはいけないのは、縁の下の力持ちである「サポーター」もいるということです。
どうしてもエースの功績ばかりに目が行きがちですが、サポーターの力がなければ、チームはうまく回りません。
お客様の要望や小さな気づきに気づけるのは、意外とサポーター役だったりしますしね。
━━たしかに、そうですね……。
岡部:悲しいことにサポーター気質の子は、「私ってチームの力になれているのかな……」と不安に感じてしまうんですよね。
だからこそ、「あなたのお陰でとても助かっているよ」と、きちんと声にして届けるようにしていました。
今でも当時のメンバーとは繋がっているのですが、「あの時、岡部さんの言葉に救われました」と言ってくれて。本当に、素敵な経験をさせてもらえました。
この経験もあって、お客様の魅力も、きちんと言葉にして伝えるようにしています。
悩みが増える40、50代のお客様だからこそ、個室専有がありがたかった
━━岡部さんが、フリーランス美容師を目指したきっかけは何でしたか?
岡部:先ほどのサロンで店舗責任者を任せてもらった時、ふと「もっと、私個人の技術を深めたいな」と思ったのです。
そこで、フリーランスに転身しました。そこから、銀座のサロンで5年ほど勤めましたね。
━━なるほど。サロンビレッジではじめたきっかけは何ですか?
岡部:私の年齢が重なるにつれて、40〜50代のお客様を担当することが増えました。
年齢を重ねてライフスタイルが変わってくると、若かった頃よりも、悩みが増えてきます。
でもその悩みは、人に聞かれたくないからこそ、自分の中で抱えてしまうこともあるんです。
例えば、「抜け毛が増えてきた」という些細な会話や、美容師からのアドバイスも、第三者には聞かれたくありませんよね……。
この流れもあり、「個室」でお客様と向き合える美容室を探していました。この空間にいる時は、周りの視線を気にせず、安らぎや非日常を堪能できる、そんな空間です。

岡部さんの施術部屋
サロンビレッジに移転して3ヶ月が経ちましたが、実際にお客様から、嬉しいお言葉も届いています。
この間は、「”抜け毛”に関する悩みも、個室だからこそ、打ち明けやすかったです」と言ってもらえました。早めに行動できてよかったです。
また、コロナ禍ということもあり、個室専有はお客様にとっても安心なのだと思います。
ゆくゆくは「福祉理美容師」として、高齢者や妊婦のサポートがしたい
━━フリーランス美容師の魅力は何だと思いますか?
岡部:自由度が高く、自分のライフスタイルに合わせた働き方ができることですね。
私は子育てもしているので、基本的には週6日、9時〜17時半で働いています。サロンに勤めていると、なかなかこのサイクルを維持するのって難しくて。
フリーランス美容師になったからこそ、仕事と家事・育児の両輪を、うまく回せるようになったのだと思います。
━━とても素敵ですね……!では最後に、岡部さんの夢を教えてください。
岡部:末長く、美容師をやっていきたいです。
ここ数年、「どんな美容師になりたいか?」と内省を繰り返しました。
その結果、最終的には、高齢者や妊婦さんにも向き合いたいなと思っていて。実際に「福祉理美容師」の資格も取得しています。
福祉理美容士は、これまでの理美容師の経験・知識・技能に加え、ご高齢の方や身体の不自由な方などへの正しい介助知識を身につけたスペシャリストです。
数年前、とある出来事がターニングポイントとなり、困っている人に自分の施術で元気にできたら、この上ない喜びだと思ったのです。
ゆくゆくは、またチームでできたらいいですね。実現するためにも、1つ1つ、できることから積み上げていきたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
サロンビレッジへのお問い合わせは下記にてお待ちしております。
