美容室は全国に24万店舗、コンビニの5倍近くもあります。そして、そこには50万人の美容師が働いている訳ですが、近年フリーランス美容師が増加しているのです。
少し古い記事にはなりますが、2017年の日経MJでは、フリーランス美容師が8万人を超えた。とのニュースも流れました。現在も増加していることを考えてるとおおよそ10万人以上の美容師がフリーランス化している可能性もあります。
全体の20%もの美容師がフリーランスになっている訳ですが、一体、フリーランス美容師とは何か?と疑問に感じる人も多いことだと思います。
そこで今回は、フリーランス美容師についてメリット・デメリットから向いている人と向いていない人を解説したいと思います。
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フリーランス美容師とは
フリーランス美容師とは、特定の美容室で正社員として働くのではなく、個人事業主として活動する美容師のことを指しております。最近、ニュースなどでも「フリーランス」という言葉が飛び交っておりますが、フリーランス美容師も全く同じ意味合いになります。
ただ、一般的なフリーランスとは異なり、フリーランス美容師の場合は、「業務委託」と「シェアサロン(面貸し)」の2つの働き方があるのが特徴です。
それぞれ、働き方が変わることから契約内容について詳細をお伝えします。
業務委託サロンで働くフリーランス美容師の特徴と給料
業務委託サロンとは、美容室とフリーランス美容師が業務委託契約を締結し、サロンのお客様を施述する契約になります。
サロン運営に必要な、「集客」や「薬剤」については、美容室側が負担しますので、ハサミなどの施述に必要な道具だけ準備すればすぐにお客様に入客できるのが特徴です。
給料の相場は、技術売上の40%〜60%が相場になっておりますので、100万円の売上がある場合は、40万円〜60万円程度の収入になるでしょう。
シェアサロン(面貸し)で働くフリーランス美容師の特徴と給料
シェアサロン(面貸し)とは、フリーランス美容師向けにサロンの空いている席を貸し出しする契約になります。
美容室としての箱や席を提供するのがシェアサロン(面貸し)になりますので、集客や薬剤については自己負担で準備する必要があります。
給料の相場は、集客や薬剤費用をサロン側が負担しない分、技術売上の80%近くが還元されるのです。100万円の売上がある場合は、80万円程度の収入になるでしょう。(薬剤費用を引けば70万円程度)
今現在、100万円以上の売上を作っている美容師も多いと思いますが、この還元の高さには驚くのではないでしょうか。
よりシェアサロンについて詳しく知りたい人は「シェアサロンとは?美容師視点のメリット・デメリットを徹底分析」をご参照ください。
フリーランス美容師で働くメリット
フリーランス美容師で働くメリットを3つお伝えさせていただきます。
自由出勤のため好きな時間に働くことができる
業務委託契約やシェアサロン利用契約という性質上、雇用契約ではありませんので出勤日数や休日をサロン側が指定することができません。そのため、土日祝を休もうが長期休暇を取得しようが完全自由なのです。
正社員美容師として働いている時は、毎日長時間労働でしょうし、それこそ土日祝日など絶対に休むことが出来なかった。という人も多いと思います。
その点、フリーランス美容師であれば自由。と言えますので、働き方を変えたい美容師には非常におすすめと言えます。
正社員サロンよりも給料が高くなりやすい
先ほどお伝えしたように、業務委託サロンで40%〜60%、シェアサロン(面貸し)で80%と非常に高歩合であるのがフリーランス美容師の特徴です。
そのため、働けば働くほど給料が高くなることから、年収600万円以上の美容師も多数在籍していることでしょう。中には、年収1000万円以上も稼ぐ美容師もいます。
正社員として働く美容師からすると一生手に入らない年収を稼ぐことができるのもフリーランス美容師のメリットと言えます。
自分の顧客にしっかりと向き合える
サロンの売上を最大化させるためには、1人でも早くお客様を回転させることや客単価を上げる必要があります。そのため、アシスタントが大半の接客を行ったり、無理にオプションを付けたりなどサロンの方針に不満を抱える美容師も少なくないでしょう。
これは、業務委託サロンの場合でも同様で、メニュー単価を下げてホットペッパービュティーなどから大量に新規客を呼ぶ低価格サロンは、「接客している」というよりは「客を回している」という感覚が強くなってしまう人もいます。
一方、シェアサロン(面貸し)の場合は、自分自身で集客を行いますので、1客に対して何時間使おうが自由です。そのため、大切な顧客としっかり向き合いたいと考えている人であれば、シェアサロンがおすすめと言えます。
フリーランス美容師で働くデメリット
フリーランス美容師で働くデメリットを3つお伝えさせていただきます。
売上を上げなければ給料が入らない
フリーランス美容師は「稼げる」とお伝えしましたが、当然ながら働かなければ収入はゼロです。「働かない。なんて選択肢はないでしょ?」と思うかもしれませんが、働けなくなる。という状態を考えておく必要があります。
病気や怪我などで働くことが出来なくなった場合、収入はゼロになってしまうのです。正社員の場合は、傷病手当金などの制度を活用すれば給料の3分の2が保障されることがあります。
ただし、社会保険に加入していることが条件です。美容室の場合、そもそも社会保険に加入していないサロンも多いのでこのような場合はフリーランス美容師と状況は全く変わりません。
また、フリーランス美容師でも任意で加入できる保険制度などもありますので、しっかりと保険に加入していればそこまで不安を感じる必要もないでしょう。
教育環境がない
正社員として勤務する場合は、オーナーや先輩社員などから技術などの教育を受ける機会が提供されるでしょう。一方、フリーランス美容師の場合は、技術を教えてくれる人がいませんので自分自身で学習する必要があります。
ただし、現在はSNS、youtube、ブログなどで新しい技術を発信している美容師が多数存在しておりますし、自分自身が積極的に技術を学び発信することで顧客の獲得にも繋がります。
そのため、サロンからしか学ぶことが出来ない。というのは言い訳とも言えるでしょう。年収600万円以上を稼ぐような美容師であれば自分自身で成長する術を身につけておくことは必須スキルになります。
事務作業など収益を生まない仕事がある
正社員美容師の時は、会社が事務処理を全て行っていることから技術のみに専念することが出来たと思います。一方、フリーランス美容師はこのような事務作業の全てを自分で対応する必要があるのです。
とは言え、フリーランス美容師として重たい事務作業が発生するのは年に1回の「確定申告」の時くらいでしょう。
しかも、ある程度稼いでいるなら税理士に依頼をすれば3万円程度で確定申告を代理してくれます。もちろん、自分の勉強としてやってみるのはアリだと思いますが、わざわざ苦手で面倒な作業を行う理由はないと言えます。
また、フリーランス美容師になった時には「シェアサロンに移籍する場合の社会保険料はどうなる?分かりやすく解説」もご参照頂ければと思います。
フリーランス美容師が向いている人と向いていない人
ここまで、フリーランス美容師のメリット・デメリットについて解説を行いましたが、実際にフリーランス美容師に向いている人と向いていない人はどのような人なのか?お伝えしたいと思います。
フリーランス美容師が向いている人
フリーランス美容師が向いている人は以下のようなスキルがある人になります。
- 近場の店舗異動なら顧客を20人程度連れて来れる人
- 現在の給料に対して不満がある人
- 結婚や出産などのライフスタイルの変化があった人
- 自分で考え行動している人
- 発信することが得意な人
フリーランス美容師は、自分の力で食べていくことになりますので、20人程度の顧客を引っ張る力がないと業務委託サロンなどでは面接で不採用になってしまうケースもあります。また、シェアサロン(面貸し)では、売上が低迷してしまうリスクがあるため、「実力」は必須スキルになります。
また、自発的に行動する力を持っており、チャレンジすることができる人の方が向いている。と言えます。
フリーランス美容師が向いていない人
フリーランス美容師が向いていない人は以下のような傾向がある人になります。
- アシスタントまでしかキャリアを積めていない人
- 指名客がほとんどいない人
- 自分で考え行動するのが苦手な人
- 他責にしやすい人
- 自己管理ができていない人
フリーランス美容師は独立することと同じです。そのため、自己管理が出来ていない人や他責(第三者に責任を押し付ける)にしてしまう人は間違いなく向いていない。と言えるでしょう。
しかしながら、上記はフリーランス美容師に限った話ではなく、社会人としてやや問題がある。とも言えますので、自身のスタイルを見直す機会だと思った方が良いでしょう。
独立開業とフリーランス美容師の違い
独立開業とフリーランス美容師の違いは、自分のサロンを持つのか?持たないのか?という程度しか違いはありません。法人化しなければ共に個人事業主なのでどちらでも一緒と考える方が自然でしょう。
「いや、美容師の独立は自分のサロンを持つことである」と考えている人も多いと思いますが、この考えに固執するのは少々古いとも言えます。
なぜなら、美容室は1年間で6割も閉店する状態だからです。
数千万円の借金を抱えて独立してもサロンはすぐに潰れてしまい借金だけが残る。このようなリスクを回避できるのがフリーランス美容師である。と言えますし、自分の力で稼ぐという点では何も変わらないのです。
そのため、「自分のサロンを持つ=立派な美容師」という固定概念を捨てることも非常に重要と言えます。また、1人オーナーとして独立する場合は、自分でサロンを持たない方が収入が増加する傾向にあります。
詳しくは「美容師が1人で独立する場合に知っておくべき開業資金・売上・収入を解説」にてシミュレーションをしておりますのでご参照頂ければと思います。
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フリーランス美容師は将来性がないって本当?
フリーランス美容師は新規客を獲得できないので尻すぼみになってしまう。というのもよく聞く話です。確かに、集客努力もせず、自分の顧客だけを対応していれば徐々に売上が下がってしまう可能性があります。
しかしながら、今現在、Instagram、minimo、requpoなど低価格で集客できるツールが数多ある時代です。そこに掲載ししっかりと運用すれば新規客も徐々に獲得できるでしょう。
そのため、現状に胡座をかかず努力を続ければ何も問題ないと言えます。
また、正社員サロンであれば、確かに美容室側が集客を行ってくれるでしょうが、そもそも年収300万円程度で65歳まで働くつもりなのでしょうか?
ありえませんよね。
独立開業するのか?フリーランス美容師になるのか?結局のところは、自分自身で食べていく人生を歩まない限り美容師としての将来が尻すぼみになると言えます。
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まとめ
フリーランス美容師のメリット・デメリットから向いている人と向いていない人を解説させていただきました。
自分の力で食べていく。という選択は簡単なことではないでしょうが、今の年収が永遠に続くリスクを考えれば、若い人ほどチャレンジすべきなのがフリーランス美容師と言えるでしょう。
当社は、美容師への還元を最大化すべくシェアサロン「SALOWIN」を運営しておりますが、固定費5万円+技術歩合20%のみの利用料となります。
そのため、100万円の売上を作れば77万円が収入になるのです。さらに、集客に不安がある人は、当社が集客を行うブーストプランや業務委託契約も準備してありますのでご自身に合う選択が可能になります。
この機会にぜひフリーランス美容師としてのキャリアを検討頂ければ幸いです。