2021年11月に渋谷にオープンした“noi”
勢いそのままに2022年には同じく渋谷に2店舗目を出店。
代表の平(ヒラ)さんが手がけるヘアサロンにおける新しいカルチャーに触れてみた。
【独立に至った経緯】
Suga:本日はよろしくお願いいたします。それでは、簡単に自己紹介をお願いいたします。
平:大阪のル・トーア美容専門学校出身で、2店舗のサロンで働いた後に、SALOWINでフリーランスになりました。そして2021年11月に、ここnoiをオープンさせました。
Suga:ちょうど約1年が経とうとしているというところですね。独立に至った経緯をお聞かせいただけますか?
平:経緯は前社で働いていて美容室経営で疑問に思ったことがいくつかあり、それを前社の社長に相談したところ、なかなかルールを変えるのは難しいという話になり…
加えて、美容業界全体にも「もっとこうしたらいいのに」と感じる部分がありました。
色々と含めて、独立して新しいカタチを作った方が早いなって、思い始めました。
【一致した、平さんとSALOWINの想い】
Suga:差し支えなければ、業界の具体的にどういったところを疑問視されたのですか?
平:まずは給料が安いところ。あとは30代以降の美容師さんに対してのステージがないなっていう部分ですね。
独立か上の役職になる、この2つの選択肢しかなく、そこに対してのキャリアプランがあまりにも少なすぎるなっていうのが引っかかりました。
あとは美容室特有の(上下関係とか)風習みたいなのがあるじゃないですか。
例えば、辞める人に対して「インスタ消せ」とか「お客様に言うな」とか、色々と。
そういうのも美容業界だけじゃなく、社会全体を通した時にあまりにも古すぎるかなという思いがあって・・・。
「美容師っていいよね!夢あるよね!」って思ってもらえるような、環境を作りたいですよね。
そこの考えが、SALOWINの理念と一致していたのは、ALL SHAREを利用した大きな理由です。
Suga:業界の働き方に対し、改革を起こしていきたいという思いが、重なり合ってできたカタチ(noi)だったのですね。
平:そうですね、シンプルに1番はそこです。
5年先、10年先もどんなことが仕事になっているかって分からないじゃないですか、美容師も。
だから、時代に合わせた柔軟さはずっと持っていたいなっていう感じです。
noiのスタッフには、“多様性の価値観を求められた時に、否定はしないでおこう”と伝えています。
【多様性を活かすためのサロンの芯の部分】
Suga:そういう意味でも、いろんな考えを持ったスタッフさんがいるということは、多様になりすぎてブレブレになるのでは?
平:おっしゃる通りです。
Suga:そのサロンにおいての“芯”みたいなものって、どう掲げてらっしゃるのですか?
平:それで言うと、noiとしての理念が1個あるのですが、【周りを豊かにする】っていうのが経営理念なんです。
まずお客様に対しては美容を通して、外見から綺麗にする。外見が豊かになれば内面も豊かになるじゃないですか。まずはお客様には絶対それをやろうと、伝えています。
そして僕のスタッフに対してのスタンスもそうです。経済的な面でも、豊かさを与えていきたい。
それに対してスタッフは、自分の家族とか、関わる人に向けて豊かな気持ちで接してほしい。そういった理念を掲げていることが、“芯として”最も強いかもしれないです。
Suga:素晴らしいですね。
平:スタッフの経済的なところとか、メンタル的な部分など、豊かになることで最終的に僕に返ってくると思っています。
だからこそ、スタッフには求めてしまいますよね。美容師として技術はうまくて当たり前。
技術とか、お客様に支持されているとか、昨日の自分に負けてないかとか。色々あると思うのですが、そういうところは厳しいです。“愛を持って”、ということですね。
Suga:社会に出た時に、負けちゃわない人を作るってことで、“愛”ですよね。
平:そうですね、例えサロンを辞めたとしても、人間性な部分等、立派になってもらいたいというのもあるので、そういうとこも含めて厳しくしております。
【高い壁もスタッフのために頑張れた】
Suga:2021年11月に出店されたというところでしたけれども、オープンするにあたって大変だったことはありましたか?
平:大変なことだらけでした。いっぱいありすぎて、1番は全部自分でやろうって思ったところが、失敗です。
人に任せるところと、自分にしかできないところ、これはスタッフに任せられるところって、区別をすべきでした。
Suga:全部やろうとされていたのですか?
平:そうですね。カラー発注を誰に頼むかとか、シャンプー台を誰が頼むかとか、いろんな契約全て。一度自分の中で限界だ!となっちゃった時があって…笑
でも、自分の中でのいい勉強でした。
経営者としては、まだ1年経ってないぐらいなので、初めてのことだらけ。今も大変だなって感じているところですけど、、、でも、それ以上にやりがいがあります。
Suga:成長したという感じなのですね
平:もう明らかに去年の自分より成長しているなと、自分自身でも感じます。
今後どんどん店舗展開するにつれて、より実感するのだろうと。
100店舗になった時の領域って、今の自分ではわからないですし、見えない景色を見てまた自分のステージも変わるだろうし。
働いている子たちもまた変わるだろうし、いろんな変化が楽しみです。
Suga:色々大変なことがあって、心折れそうになったことも多分あると思うんですけど、折れなかった理由、乗り越えられた理由を教えてください。
平:それはもうスタッフですね。
人のためってなったら頑張れるんですよ。どこまでも“一生無限で頑張れるんですよ”。
【成長の先に芽生えた利他の心】
Suga:もともと人のために努力ができる性格だったのですか?
平:最初はそうではなかったです。僕がアシスタントの時とか、自分の成長のことばかりを考えていました。それこそ、有名なスタイリストになるんだ!とか、雑誌に載るようになりたい!売り上げ300万!とか、、最初はそこを掲げていました。
最初からそんな立派じゃなかったです。笑
ただ、僕は成長をずっと止めなかったんですよ。
毎日、本を読んでいたし、常にプラスになることとか吸収しようとしていました。
インスタですごい人に会いに行ったり、色んな経営者にも会ったりもしていました。
自分の成長を止めないように意識していました。その先に利他の心に行き着いた感じがしています。
Suga:ステージがどんどん上がって行ったのですね
平:それですね。それが1番しっくり来るかもしれない。本当に最初からこんな立派じゃなかったし、アシスタントの頃はもう死ぬほど怒られていたし、遅刻もしていたし、もうダメダメ人間でした。笑
ただ、成長は止めなかったです。それが唯一言えることかもしれない。
“行動したのと、成長を止めなかった”この2つが結構自分の中では強みです。
だから、今のアシスタントの方が、とても立派だなって思います。自分が1年目の時と比べたら、今の子達はすごいなと思います。
Suga:嬉しいですよね。そういう子が集まってくれて。
平:嬉しいです。だからこそ、否定しないで可能性は絶対あるなって、自分でもなれたのだから、みんなもなれる可能性がある。
【渋谷にサロンを構えた理由とビジョン】
Suga:なんで渋谷にオープンしたのですか?
平:渋谷の都市開発が100年に1回の大開発なんです。わかりやすく言うと、日本で1番開発するのが渋谷なんですよ。
そうなったら、明らかに人は集まるだろうなと思うのと、より渋谷が大きいターミナルになるなっていうのがわかりました。
そうなった時に1番盛り上がっているところに行こうと思ったのが、渋谷でやろうと思った理由です。
Suga:そうなんですね!
平:そういうのを調べた上で、渋谷には未来が結構あるなっていう読みです!
Suga:これからのビジョンとして、具体的に何年後に何店舗みたいなのっていうのもあったりするのですか?
平:5年後に10店舗です。
Suga:そうなんですね!
平:それはスタッフにもスタイリストにも伝えています。
そのスピード感で、まずはやりたい!というのと、年商も15億は行きたいなっていうところを伝えている感じです。
Suga:それを実現させるためにも、ALL SHAREを活用されているということなのですか?
平:そうですね。本当に店舗展開が早いです。スピード感がありますね。
例えば、物件もSALOWIN側が見つけてくれたりしますし、物件によっては大きい会社じゃないと借りられないケースもあります。
そういうところは結構大きいかもしれないです。店舗展開のスピードが1番メリットかもしれないです。
Suga:すごいビジョンに圧倒されっぱなしです。今日はとても勉強になりました!引き続き応援しております!貴重なお話ありがとうございました!
平:頑張ります!こちらこそありがとうございました。
※直接オーナー様へのお問い合わせはご遠慮ください
【ライター紹介】
菅原 祥(Suga) 美容師兼webライター
“美容”に特化した記事を多く執筆。
言語化で美容業界に豊かな風を吹かす人です。