次の出店をどう進めるべきか悩むサロンオーナーは多いのではないでしょうか。物件探し・内装工事・人材確保。どれも時間とコストがかかり、スピード感を持った店舗展開は簡単ではありません。
そんな中、わずか1年で5店舗の新規出店を実現したのが、メンズカットのサブスクサロンを展開する株式会社ENです。
本記事では、代表・大谷優太さんに、ENの成長を支えるサブスクビジネスの強みと、出店を加速させた「me by,,」の活用法について伺いました。
サロウィンではフリーランス美容師のためのシェアサロンだけでなく小規模〜大規模まで美容室経営のトータルサポートサービスを提供しております。 ご相談だけでも構いませんのでお気軽にお問い合わせください。 |
「me by,,」が出店スピードを10倍に。1年で5店舗展開を実現
―サブスク型メンズサロンの魅力について教えてください。
大谷:ENの強みは、ターゲットを明確に設定し、その層に最適化したサービスを提供している点です。
男性は美容室を選ぶ理由があまりない方が多いと思います。20代前半までは「おしゃれしたい」「この美容師さんに切ってもらいたい」といった動機があるかもしれませんが、20代後半〜30代になると、仕事や私生活の優先度が上がり、自分のスタイルもある程度固まってきますよね。
そうなると「とりあえず近くのホットペッパーで上の方に出てきたサロンに行くか」という選び方になりがちで、自分に合ったサロンを選ぶ明確な理由がない状態です。
ENはそんな男性たちに、サブスクという形で美容室を選ぶ理由を提供しています。
定額でいつでも身だしなみを整えられる安心感があり、実際に利用してみると従来のサロンと変わらないクオリティ。この便利でわかりやすい仕組みが多くの男性に支持され、結果として解約率は3%以下という高い継続率を実現しています。
ターゲットとサブスクモデルの相性が非常に良かったと感じていますね。
―サブスクで定期的に通ってもらえる仕組みは、美容師さんにとってもメリットですよね。
大谷:そうですね。美容師さんの中には、技術力があってもお客様に見つけてもらえず、苦戦している方が少なくありません。
SNS発信やマーケティングが得意な方ばかりではないですし、いざ発信しても違いが出しにくいのが現状です。
その点、ENではブランドとしてお客様との接点をつくる仕組みがあるので、美容師さんは来てくださったお客様に集中できる環境が整っています。発信力に左右されずにお客様とつながることができることは、美容師さんにとっても非常に大きなメリットです。
結果的に、お客様と美容師さんの双方にとって心地よい関係が生まれるWin-Winの構造になっていると感じています。
―サブスクサロンの店舗展開を進める中で「me by,,」をご活用いただいていますが、サービスを知ったきっかけを教えてください。
大谷:ENも株式会社として事業を展開しているので、美容業界に限らず、ベンチャー企業の動きは常にチェックしています。その中で、あるときサロウィン株式会社が52億円の資金調達を行ったプレスリリースを目にしました。
シェアサロンを展開している会社ということは以前から知っていましたが、改めて事業内容を見てみると、「me by,,」という小規模美容室を出店できるサービスやその他にも開業支援サービスであるALL SHAREなどその他のサービスも提供していることを初めて知りました。
me by,,について調べるとENのビジネスモデルにぴったりだと感じ、すぐに問い合わせをさせてもらいました。
―当時は何店舗展開されていたのですか?
大谷:5店舗でした。自社でも店舗を増やしてはいたのですが、どうしても物件探しや内装工事など、初期投資に時間もコストもかかってしまうことが課題に感じていました。
その点、me by,,なら立地・設備・デザインまで整った状態で出店できるので、スピードもコストも一気に解決できる点が非常に魅力的でした。
―実際に「me by,,」を活用して、どんな変化がありましたか?
大谷:一番の変化はやはり出店スピードです。これまでは4年かけて5店舗出店してきましたが、me by,,を活用してからは、わずか1年で同じく5店舗を出店することができました。
コスト面でも、これまでの約10分の1で出店できたので、本当に世界が変わったと感じています。
ENは全国どこでも集客できるビジネスモデルで事業拡大を進めているので、全国的に展開しているme by,,とはとても相性が良いですね。
ちょうど全国展開を視野に入れていた時期でもあり、今年は東京都内や横浜で順調に店舗数を伸ばすことができました。今後の展開に向けた良い準備期間になったと思います。
来年以降は、me by,,を活用して地方にもどんどん出店していく予定です。今後はme by,, ができるエリアで必ず出店する勢いで展開していきたいです。
―これまで自社で出店されてきた店舗に比べると、「me by,,」のサロンスペースはややコンパクトですが、運営面で変化はありましたか?
大谷:正直、そこは挑戦でしたね。これまでは3席に対して可動式のシャンプー台を2台で運用していたので、お客様もほとんど動くことがなく、かなりシームレスな体験を提供できていました。
一方で、me by,,で出店した池袋店と銀座店は2席に対してシャンプー台が1台です。ENでは「入店から退店まで30分」という予約枠の中で、他のお客様と一切重ならない完全マンツーマン対応を徹底しているので、この体験を守り切れるかどうかが当初の課題でした。
しかし、実際に池袋店で運用してみたところ、特に問題はありませんでした。その後、3席の横浜店での運用もテストしてみましたが、こちらも想定以上にスムーズに回せていて、十分な設備環境が整っていると感じています。
結果的に、お客様の体験の質を変えることなくme by,,を活用できたので良かったですね。

理美容師の働き方改革とキャリア支援
―理美容師さんの働き方改革にも力を入れているとのことですが、具体的に教えてください。
大谷:安心して、安定的に働ける雇用形態を用意しています。
ENでは完全固定給制を採用していて、基本給は業界水準よりも高めの32万円スタートです。さらに、入社1年後には35万円を保証しています。
お休みも年間休日も117日あります。一般的な美容室や理容室は成果報酬型で、休んだ日=売上がゼロになったり、休憩を取るとその分給与が減ったりする仕組みが多いのですが、ENはサブスクモデルを採用しているので、休んでも売上が変わりません。
だからこそ、しっかり休みながら安定した高い固定給を得られます。この働き方を実現できるのはENならではだと思っています。
実際に、そういった安定した環境でしっかり働きたいと思っている理美容師さんたちが多く入社されています。
また、集客もすべて自社で担っているので、理美容師さん自身に集客の負担がかからない点も大きな強みです。
―キャリアアップの仕組みはどのようになっていますか?
大谷:ENでは明確な評価制度を設けています。まずはその基準をしっかりとクリアしてもらうことが第一ステップです。評価の指標が明確なので、スタッフ自身も目標を持って成長しやすい環境になっていると思います。
会社としての次のステップは、店舗展開を進めていることもあり、エリアマネージャーや技術マネージャーなどのポジションがあります。
また、希望があれば、人事やマーケティングなどのバックオフィス業務へのキャリアチェンジも可能です。美容師として現場に立ちながら「もう少し働き方を変えたい」「週に1〜2回だけ現場に立ちたい」という人もいますし、中には「別の形で美容業界に関わりたい」という人もいます。
そういった方が無理をして現場を続けるのではなく、自分の得意を活かしながら美容の仕事に携われるような体制を整えています。
美容業界だけに限らない。事業成長のための情報収集方法
―事業拡大を進めるための資金調達はどのようにされていますか?
大谷:先ほどme by ,,を知ったきっかけはサロウィン株式会社の資金調達のプレスリリースをチェックしたからとお話しましたが、普段からベンチャー企業の動向や資金調達の仕組みを常にチェックし、学ばせていただいています。ENでは、主にクラウドファンディングを活用して資金調達を行っています。
今回は株式投資型クラウドファンディングで約4,000万円を調達することができました。未上場企業としてはかなり珍しいケースだと思うのですが、新たに約100名の株主の方々に参加いただき、現在は株主が合計で200名ほどになっています。これは業界的にも相当異例な規模だと思いますね。
ENのビジネスはtoC(一般消費者向け)でわかりやすいモデルなので、投資家の方々にも共感してもらいやすいのだと思います。特に、エンジェル投資家の方々が多く出資してくださっています。
もうひとつは、最近主流になりつつあるベンチャーデットによる資金調達です。これは、企業の業績や成長性をしっかり評価したうえで資金を融資してもらう仕組みで、この2つの手法を組み合わせて資金調達を進めています。
ENとしてはIPO(新規株式公開)を目指しているので、上場の際には今回応援してくださった方々にしっかりとリターンをお返しする予定です。
また、上場したときのリターン以外に、一般投資家の方向けの優待制度も自社で用意しています。実際に、サロンに通ってくださっているサブスク会員のお客様が投資家として出資してくださるケースも多く、優待を通じてENのサービスを一緒に盛り上げてもらっています。
応援してもらいながら成長する構造ができているので、とてもありがたいですし、ENらしい資金調達の形になっていると思いますね。
―他社の動向もよくチェックされているとのことですが、資金調達の方法以外に参考にされていることはありますか?
大谷:美容業界に限らず、様々な業界のサブスクビジネスや小売業の仕組みなども意識的にチェックするようにしています。
どうしても美容業界の中だけを見ていると発想が狭くなってしまうので、外の業界から学ぶ姿勢は常に大切にしていますね。
もちろん美容業界のトレンドも追いつつですが、他の業界では当たり前のことを美容業界に取り入れることで、もっと業界全体を良くできるのではないかと考えています。
わかりやすい例で言うと、SNS広告の活用ですね。多くのサロンや美容師さんはまだホットペッパービューティーなど既存媒体に依存しているケースが多いのですが、他業界ではSNS広告を活用するのはごく当たり前のことです。
美容業界でも、SNS広告をうまく使えば個人でもブランドを育てられますし、集客の仕組みをより効率化できる可能性があります。
ENとしても、そうした他業界の成功事例を積極的に取り入れながら、美容業界をリードしていければと思っています。
―最後に、事業を通じて今後目指していきたいことを教えてください。
大谷:創業当初から一貫しているのは、「美容業界を持続可能な業界にしていきたい」という想いです。
まずは、多くの理美容師さんが安心して働ける持続可能な働き方をつくること。そして、お客様にとっても、ヘアカットを持続可能な価値ある体験にしていくこと。
理美容師さんとお客様の双方にとって、より良い関係を長く築ける仕組みを実現するために、これからも挑戦を続けていきたいと思っています。

出店加速し事業拡大を後押し、挑戦を支える「me by,,」
メンズカットのサブスクモデルで、理美容師とお客様の双方にとって持続可能な未来をつくるEN。その出店スピードを大きく前進させたのがme by,,の存在です。
自社での出店では数年かかっていた規模拡大も、me by,,を活用することでわずか1年で5店舗のオープンを実現。立地・内装・設備が整った状態でスピーディーに出店できる仕組みが、ENの成長を支えています。
新規出店や事業拡大を検討しているサロンオーナーにとって、me by,,は理想をスピーディーに形にできる選択肢です。興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
サロウィンではフリーランス美容師のためのシェアサロンだけでなく小規模〜大規模まで美容室経営のトータルサポートサービスを提供しております。 ご相談だけでも構いませんのでお気軽にお問い合わせください。 |


