2022年5月、SALOWIN独立支援“ALL SHARE”にて表参道に出店されたcie。
スタッフの働く環境を守っていくためのサロン創りが、新しい試み。
そのお店づくりに関して、想いやこだわりをcie代表の安永さんから伺いました。
【cie出店の経緯】
Suga:本日はよろしくお願いいたします。早速、自己紹介をしていただいてもよろしいでしょうか?
安永:安永怜です。新卒で入社したサロンに6年勤めていました。そこからフリーランスを経てALL SHAREサービスを利用してcieを出店しました。
Suga:ありがとうございます。今年5月にオープンされて大体5ヶ月ぐらい、改めておめでとうございます。独立の経緯を改めて詳しくお伺いしてもよろしいですか?
安永:ここにいるスタッフは元々一緒のサロンで働いていた人がほとんどです。以前勤めていたサロンを辞めたいと言っていて、はじめは一緒にフリーランスをやれたらなと考えていました。
しかしスタッフたちはフリーランスに不安要素がたくさんあるというので、どうにかできないかなと考えていました。
ちょうどその時にALL SHAREの話をいただきました。
その選択肢の方が、店舗も自分達の好きなようにより彩れるし、スタッフの安心感も違うかと思って決意しました。
Suga:なるほど、自分のためよりも、周りの皆さんのために出されたっていうイメージですね。
安永:でも、自分も一人で1年ぐらいやっている中で、仲間と一緒にやる方が仕事として楽しいかもなって、ちょうど思っていたんです。自分のためでもあり、みんなとやると考えた時、ALL SHAREが最良の選択でした。
【サロンの代表としての覚悟】
Suga:フリーランスからサロンの代表になって、心境の変化はございましたか?
安永:一人だったら別にお客さまが来なくても、稼げないのは自分だけなので割と気軽ではありました。
スタッフがいるとそうはいかないので、当然背負うものがあります。
負担には全く感じてなくて、むしろ楽しいことが多いのですが、“責任感”っていうのは特に増したと思います。
Suga:楽しみも1人の時よりも増えた感じですか?
安永:シェアサロンの時も仲の良い人とかはいますけど、距離感が違います。同じ方向を向いている仲間と一緒に働くっていう毎日があると、他も色々と充実してきます。そういう意味でも楽しいですし、やりがいは沢山あります。
Suga:同じ船に乗っている感じはやっぱりありますよね。
安永:そうですね、同じ方向は向けていると感じます。
【ALL SHAREの利用を選んだ理由】
Suga:ALL SHAREの利用をする上で、具体的にどういったところが良いと思われたのですか?
安永:SALOWINの理念が、美容師の収入向上でしたり、働く環境の最適解を生み出していく事だと思うのですが、まずはそうした部分に共感していました。
その上で何か一緒に携われたらなと。自分でお店を出すことも考えていましたが、まだSALOWINと関わっていたいと思う気持ちがありました。両方叶えられる形を選んだという事です。
Suga:なるほど、理念がご自身の想いと通ずるものがあったのですか?
安永:そうですね。自分の理念は正にSALOWINと被るところにありました。美容業界の給料体制や労働時間などに疑問があり環境の底上げをしたいと強く思っていました。
ですので、SALOWIN(フリーランス)とはやり方は違うけど、一緒にやれたらいいなと思った次第です。
【店舗展開の目標】
Suga:今後、何店舗ぐらい構えていきたいのですか?
安永:そうですね、今のところは来年中にあと2店舗を目指しています。*2022年11月時点の情報。
Suga:そのスピード感で考えられるのはすごいですね。
安永:そうですね。このスピード感がALL SHAREの強みの一つですね。
Suga:サロンをオープンする時に大変だった事はございましたか?
安永:単純に、タスクの肥大化による過剰業務です。元々法人化にもしてなかったので、その法人化の手続きや出店の準備の諸々。スタッフの売り上げ確保とか、そういうのも同時にやる必要がある。
そこのタスク処理が大変でした。
Suga:そうですよね。わからないことだらけの中で、どうやって、進めたらいいのか右往左往しますよね。
安永:はい、きっと次はスムーズに進められるのではと思っております。笑
Suga:東京にあと2店舗出したいと考えているのですか?それとも地方でという感じですか?
安永:とりあえず東京で1店舗、福岡に1店舗を目指しています。
【ALL SHAREを活用した上でのメリットとデメリット】
Suga:ALL SAHREを活用する部分で、言える範囲でメリットやデメリットを教えていただきたいです。
安永:メリットは店舗を一気に出せ、事務的作業を任せられるところ。物件も探してくれて、資金の借り入れ等とても心強いサポート体制が整っております。
デメリットで言うと、逆にそれを自分でやらないことですね。
お金を借りたり、事業計画書を書いたりとか、本来やるべき作業が減っているので。
その経験ができてないっていうところがデメリットです。そうした経験はあった方がいいと思うので。
【サロン創りにおいて、新しいシステムの構築】
Suga:スタッフの働く環境を提供していく上で、どのようなことに気をつけていらっしゃいますか?
安永:それはすごいシンプルで、お給料上げることと、休みたい時に休めること。
そのお給料アップと自由度とストレスのなさっていうところが、元々の大きな課題じゃないですか。
Suga:そうですね。
安永:その部分を、サロン単位だけどフリーランスの様に働く環境にしたい気持ちがあります。まだ課題はいっぱいありますがそこを目指しています。
フリーランスであれば予約もある程度コントロールできるし、お給料もやったらやった分だけ。
さらに美容室のストレスって、客入りの混み具合のストレスとか、対人関係でも不必要なコミュニケーションから生まれるストレスでもあります。
いろんなストレスがありますが、それを一つ一つ改善していきたいですね。
具体的にいうと、材料係を設置しないということ。仮に材料を頼む人がいた時、単純にその人には何かしらのストレスがかかります。そこを無くして、cieでは個人発注にしています。
クロス一つ取ってもそう、個人の私物を使用するようにしております。
予約の枠も1枠しかとれないようして、自身でコントロールをしやすくしています。
Suga:確かに、元の固定概念が強くて当たり前を当たり前にしてしまっている傾向にありますよね。しかし、そこに一つ一つ向き合って改善する姿勢が素晴らしすぎます。
安永:そうですね、細かい部分から一つ一つ見比べて、ストレスをなくせるよう努めております。
Suga:きっとそれはフリーランスで経験されているからこそのアイデアですよね。
安永:正にそうですね。でも逆に、一気に数字(売上)を上げられなかったりするので、そこは課題です。
Suga:どっちを取るかではありますけれども、お客さま的に「ここにまた来たいな」って思えるのはどっちかなと。
予約つめつめでストレス溜まって、結局残るのってお金かもしれないですけど・・・そういう環境が正解とは一概に言えないですよね。cieさんのこういう環境って、とても素敵です。
安永:ありがとうございます。これでやっていけるよう頑張ります。
【経営者として大切にしていること】
Suga:経営者としてというところで大切にされていることを教えてください。
安永:一番大切にしていることは「人」です。
人が全てなので、人の気持ちを汲み取ること、スタッフの気持ちを汲み取ることを大事にしています。
Suga:やっぱりコミュニケーションを密にされています?
安永:そうですね。どれだけ大事にできるかという意味でも、常に気にかけるようにしています。
そこから上がってくる悩みとかにも、しっかり向き合っていけたらと思います。
【数年先のビジョン】
Suga:さっき店舗展開のお話もありましたが、その先の事とかも描いてらっしゃいますか?
安永:あります。店舗展開に関しては、とりあえず3年後までに5店舗、ここまでは決めています。
出してみてからでないと分からない部分が多々あるので、5店舗はまず欲しいかなと。
Suga:とても早いですよね!3年で5店舗っていうのは。安永さんのサロンの方針として、予約枠増やして売り上げをガツっと上げていく考えではないので
皆さんのことを大切にしながら、システムの土台を着実に固めて進むスピード感で言ったら、早いと感じてしまいます。
安永:そうですね。基盤をしっかり作りながら、結果に結びつくように頑張っていきます。
Suga:楽しみですね。今日はたくさんお話を聞かせていただき、ありがとうございました。引き続き応援しております。
安永:とんでもないです、こちらこそありがとうございました。
【ライター紹介】
菅原 祥(Suga)
美容師兼webライター
“美容”に特化した記事を多く執筆。
言語化で美容業界に豊かな風を吹かす人です。