「確定申告って、なんだか難しそう…」「青色申告って聞いたことはあるけど、どうすればいいの?」
毎年、確定申告が近づくと、「そろそろ準備しなきゃ…」と焦ったり不安になったりする方も多いのではないでしょうか?
とくに、「売上管理」「経費」「帳簿」「会計ソフト」といった言葉に気が重くなってしまうフリーランス美容師さんは少なくありません。
しかし、青色申告と会計ソフトをうまく使えば、確定申告はもっとシンプルに、効率よく、節税までできるようになります。
この記事では、フリーランス美容師として働くあなたのために、
- 青色申告と白色申告の違い
- 会計ソフトの選び方とメリット
- 実際におすすめのソフト
などを美容師の視点でわかりやすく解説します。
「数字が苦手」「会計ソフト使ったことがない」そんな方でもなるべくわかりやすくまとめてみました。

青色申告とは?白色申告との違いとメリット
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。
どちらもフリーランスとして必要な手続きですが、制度の内容や得られるメリットに大きな違いがあります。
白色申告は比較的シンプルな記帳で済みます。一方、青色申告は帳簿の作成などに一定のルールがあります。
ただし、その分白色申告よりも節税効果が高く、制度的な優遇も多いため、節税を意識するなら青色申告が断然おすすめです。
とくに、フリーランス美容師にとって、青色申告は収入を守る心強い制度になります。
なぜなら、控除額が大きく、今後の赤字にも対応できる仕組みが整っているからです。
①青色申告と白色申告の比較表
項目 | 白色申告 | 青色申告(簡易) | 青色申告(複式) |
控除額 | なし | 10万円控除 | 最大65万円控除(※) |
帳簿のつけ方 | 簡単な収支のみ | 簡単な帳簿 | 複式簿記(会計ソフト推奨) |
専従者給与(家族の給料) | 一部のみ経費にできる | 全額を経費にできる | 全額を経費にできる |
赤字の繰り越し | できない | できない | 3年間繰り越せる |
信用(融資など) | 低い | やや高い | 高い |
※65万円控除を受けるには「複式簿記+e-Tax提出(パソコンやスマホから申告)」が条件です。
②具体的にどれくらい節税になる?
例えば、年間所得が300万円の人が青色申告(65万円控除)を使った場合、所得税と住民税を合わせて約10万円〜13万円ほどの節税効果があります!
③美容師にとって青色申告の魅力は?
フリーランス美容師として長く安定して働くためには、収入を守るための仕組みを持つことが欠かせません。
その点で、青色申告は美容師にとって大きなメリットが得られる制度です。
たとえば、
- 家族に手伝ってもらっているなら、その給料を経費にできる
→ 「青色専従者給与」として、配偶者や家族に払った給料を全額経費として計上可能。
→ 受付や予約管理、掃除などを家族が手伝ってくれている場合、それも立派な業務として認められます。
- 開業初期の赤字を、翌年以降の黒字と相殺できる!
→開業直後は材料費や設備投資がかさみ、赤字になることも。青色申告なら、その赤字を最大3年間繰り越して節税に活かせます。
- しっかり帳簿をつけていれば、信用力もアップ!
→ きちんと記帳し、青色申告をしていることで、金融機関やクレジットカード会社の信用評価も高まり、将来的な融資やローンにも有利に働きます。
「青色申告=難しい」と思われがちですが、会計ソフトを使えば誰でもカンタンに対応できます。
このあと紹介する会計ソフト比較で、自分に合ったやり方を見つけていきましょう!
青色申告を始めるには?【美容師向けガイド】
「今年こそ青色申告に挑戦したい!」と思ったら、まず最初にやるべきことは、税務署への申請です。
青色申告は、「やりたい」と思っただけでは使えず、事前に“申請書類”を出す必要がある制度です。提出期限も決まっているので、忘れずに準備しておきましょう。
①必要な書類
書類名 | 内容 | 提出が必要な人 |
青色申告 承認申請書 |
青色申告を始めたいという意思を税務署に届け出る | 全員必須 |
青色事業専従者給与に関する届出書 | 家族に給料を出す場合に、その金額などを記載 | 家族を手伝わせる人のみ |
※どちらも国税庁のHPからPDFでダウンロード可能です。会計ソフトから自動作成できるものもあります。
②提出期限はいつ?
パターン | 提出期限 |
開業したばかりの人 | 開業日から2ヶ月以内 |
白色申告から青色申告へ切替えたい人 | その年の3月15日まで |
たとえば、1月10日に開業したなら、3月10日までに申請書を出せばOK。
すでに開業済みで、今年から青色申告に切り替えたい場合は、3月15日までが締切です。
③提出方法とそれぞれのメリット
- 税務署に持参:直接渡せるので安心感がある
- 郵送:忙しいときでも手軽に提出できる
- e-Tax(電子申告):オンラインで完結できる。最大65万円控除の対象になる(※条件あり)
e-Taxを利用すると、65万円の控除を受ける条件を満たすことにもつながります(※会計ソフトと連携できるとさらに便利)。
④【3ステップ】青色申告を始めるために必要な準備|申請までの流れを解説
「青色申告したい!」と思ったら、申請書の準備から提出まで、以下の手順で進めましょう。
すべて終わらせるのに早ければ30分程度。これさえやれば、青色申告への第一歩は完了です!
Step 1:申請書を用意する
- 青色申告承認申請書を用意
└ 国税庁の公式サイトからPDFをダウンロード
└ または、freee・マネーフォワードなどの会計ソフトで自動作成可能
└ 書き方が不安な場合も、ソフトが記入補助してくれるので安心!
- 専従者給与に関する届出書(必要な場合のみ)
└ 家族にお給料を出したい場合に提出が必要
└ 配偶者・子どもなど、業務を手伝ってもらう予定がある場合は忘れずに!
Step 2:提出期限を確認する
- 開業したばかりの方:開業日から2か月以内が提出期限
- すでに開業済みで今年から青色申告したい方:3月15日まで
例)1月10日に開業 → 3月10日までに申請
例)2025年分から青色にしたい → 2025年3月15日が締切
Step 3:提出方法を選んで送付
- 税務署に直接持っていく
その場で確認してもらえるので不安な人におすすめ - 郵送で送る
控え用のコピーと返信用封筒(切手付き)を同封すれば、自宅に受領印付きで戻してもらえる - e-Tax(電子申告)で提出
オンラインで完結!
さらに、65万円控除を受けたい人はe-Tax提出が条件になるので特におすすめ
これらのステップを、一度やってしまえば翌年からは申請不要です!
複式簿記って何?難しいの?
①複式簿記そもそも何か?
複式簿記(ふくしきぼき)とは、お金の動きを「2方向から記録」する方法です。
たとえば、「カット用ハサミを買った(1万円)」という場合
- 単式簿記:「1万円使った」とだけ記録
- 複式簿記:「1万円を“現金”で支払い、“消耗品費”として記録」といった具合に、お金の動きを両面から記録。
お金を使ったときに、「いくら使ったか」だけでなく、「何に使ったのか」「どんな目的の支出だったのか」まで記録することが、複式簿記となります。
②単式簿記と複式簿記の違い表
項目 | 単式簿記 | 複式簿記 |
記録の仕方 | 「収入」と「支出」を1つずつ記録 | 「お金の出どころ」と「行き先」をセットで記録 |
イメージ | 家計簿・現金出納帳のようなシンプルな形 | ビジネス帳簿として信頼性が高い形式 |
対象の申告制度 | 白色申告/青色申(10万円控除) | 青色申告(最大65万円控除) |
難しそうに見えるけど、実は大丈夫!
「複式簿記」と聞くと、「なんだか複雑そう…」「簿記の知識がないとできないんじゃ?」と思ってしまう方も多いかもしれません。
でもご安心を。
今の時代は、会計ソフトを使えば、複式簿記のルールを知らなくても問題ありません。
操作はとてもシンプルで、専門知識がなくても帳簿を作成できます。
③会計ソフトでやること3点
①売上や経費を入力する
金額を手で入力するか、レシートをスマホで撮影するだけ。日付や金額、取引内容も自動で読み取ってくれるソフトもあります。
②費目(科目)を選ぶ
たとえば「カラー剤代」「交通費」「シザー購入費」など。
美容師向けの項目テンプレートがあらかじめ用意されているソフトもあり、初心者でも迷いません。
③あとはソフトが自動で処理!
入力された情報をもとに、複式簿記の形式で正確な帳簿を作成。
さらにそのまま、青色申告に必要な書類や確定申告書類まで自動で作ってくれます。
つまり、複式簿記を勉強しなくても、会計ソフトが全部やってくれるので安心です。
むしろ「よくわからないから会計ソフトを使う」という考え方がいいでしょう。
入力するだけで、65万円控除に対応した帳簿までスムーズに作成することができます。
【2025年版】フリーランス美容師向けおすすめ会計ソフト3選|迷ったらこの中から選べばOK!
会計ソフトを始めたいけど、「何が違う?」「結局どれがいいの?」と迷っていませんか?
フリーランス美容師にとっては、操作がかんたん・スマホでできる・サポートが頼れることが重要だと思います。
ポイントをふまえて、2025年時点で使いやすいおすすめ会計ソフト3選を比較形式で紹介します。
会計ソフト比較表
ソフト名 | 特徴 | こんな人におすすめ | 月額(目安) | 無料期間 |
マネーフォワード クラウド |
・自動連携が豊富 ・グラフ表示が見やすい |
・銀行やクレカとの連携重視 ・税理士と併用したい人 |
¥1,280〜 | 30日間無料 |
freee会計 | ・操作が直感的 ・スマホでも快適 |
会計初心者、スマホ派、美容師さん向き | ¥1,780〜 | 30日間無料 |
弥生オンライン | ・実績No.1 ・電話&チャットサポート充実 |
・本格的に帳簿を管理したい人 ・将来的に法人化を考える人 |
¥0〜¥8,800 | 初年度無料プランあり |
初心者でスマホ派の美容師さんには【freee会計】が断トツでおすすめ。操作が直感的で、スマホだけで確定申告まで完結できます。
【初心者が悩む5つの疑問】美容師の確定申告Q&A|青色申告でよくある質問まとめ
- 会計ソフトって本当に必要?
→ はい。 青色申告+複式簿記で65万円控除を受けたいなら、ほぼ必須。手書きやExcelより早くて正確で、ミスも減ります。
- スマホだけでも申告できる?
→freeeやマネーフォワードならレシート撮影→仕訳→申告までスマホ完結OK。
- 無料で使えるソフトある?
→ 弥生オンラインは初年度無料プランあり。ただし、無料プランにはいくつかの制限があるため注意が必要です。
上記【比較】おすすめ会計ソフト3選(2025年版)会計ソフト比較表を確認しましょう。
- 確定申告だけ税理士にお願いしたい場合は?
→ 会計ソフトで帳簿を整えておけば、データを税理士に渡してスポットで依頼できます。費用の目安は4〜8万円程度です。
SALOWINの紹介であれば3.5万円でご紹介可能◎
ポイント
※会計ソフトで帳簿がきちんと整理されていると、税理士の作業もスムーズ=費用も抑えられます。 |
まとめ|ソフト×青色申告で“お金に強い美容師”になる
美容師としてフリーランスで働き続けるなら、技術や接客力に加えて、お金の知識と管理スキルも重要な土台になります。
その点で青色申告は、
節税できる/信用が上がる/将来への備えができる
という3つの側面から、美容師にとって頼もしい制度です。
「記帳や申告は難しそう…」と感じている方も多いかもしれません。
しかし現在では、会計ソフトを使えば、日々の取引を入力するだけで、帳簿作成から申告書の作成まで一気に進められる時代です。
だからこそ、会計ソフトを使わない理由が見つからないほど、環境は整っています。
まずは、自分に合いそうな会計ソフトを、無料で体験してみることからスタートしてみましょう。
