美容師全体の割合は女性の方が3倍以上も多い。と言われていますが、年月の経過と共に女性美容師の割合は減少し最終的に男女比は1:1になると言われています。
このデータから何が言えるのか?と言えば、女性美容師の多くは、結婚や出産などをきっかけに退職し、そのまま休眠美容師になる人が多い。ということです。
せっかく手に職を付けたもののサロン勤務は長時間労働、土日祝休みなし。という状況から、続けたくても続けられない女性美容師が多い。と言えます。
その際、もっと自由な働き方や自身のキャリアアップを含めて「独立」を考える女性美容師もいるのですが、やはり気になるのは「結婚」や「出産」をしても続けられるか?という点。
そこで今回は、結婚や出産をしても経営を続けるために3つの準備をお伝えします。
美容師が独立する場合に必要な開業資金
まず、女性も男性も問わず発生するのが、美容室の開業資金でしょう。
基本的には、「不動産契約費用」「内装費」「薬剤仕入」「運転資金」が必要になりますので、それぞれいくらの費用が発生するのか?目安をお伝えさせていただきます。
大項目 | 費用 |
不動産契約費 | 保証金:家賃の8ヶ月〜10ヶ月 |
仲介手数料:家賃の1ヶ月分 | |
内装費 | 1坪あたり:40万円〜50万円 |
薬剤・備品仕入れ費用 | 30万円〜100万円程度 |
運転資金 | 想定売上高の45%がコスト×3ヶ月分 |
では実際にいくらの開業資金が必要になるのか?以下の条件のもと金額を算出してみましょう。
- 坪単価:2万円
- 保証金+仲介手数料:9ヶ月分
- 内装費:45万円/坪
- 薬剤仕入れ:想定売上の20%
- ランニングコスト:想定売上の80%×3ヶ月分
- 1人あたりの売上高:60万円/月
- 1客あたりの客単価:6000円
想定売上高 | 想定坪数 | 月額賃料 | 独立資金 |
||||
合計 | 保証金 | 内装費 | 薬剤仕入れ | ランニングコスト | |||
500,000 | 7 | 140,000 | 5,710,000 | 1,260,000 | 3,150,000 | 100,000 | 1,200,000 |
600,000 | 7 | 140,000 | 5,970,000 | 1,260,000 | 3,150,000 | 120,000 | 1,440,000 |
700,000 | 7 | 140,000 | 6,230,000 | 1,260,000 | 3,150,000 | 140,000 | 1,680,000 |
800,000 | 12 | 240,000 | 9,640,000 | 2,160,000 | 5,400,000 | 160,000 | 1,920,000 |
900,000 | 12 | 240,000 | 9,900,000 | 2,160,000 | 5,400,000 | 180,000 | 2,160,000 |
1,000,000 | 12 | 240,000 | 10,160,000 | 2,160,000 | 5,400,000 | 200,000 | 2,400,000 |
1,100,000 | 12 | 240,000 | 10,420,000 | 2,160,000 | 5,400,000 | 220,000 | 2,640,000 |
1,200,000 | 15 | 300,000 | 12,570,000 | 2,700,000 | 6,750,000 | 240,000 | 2,880,000 |
1,300,000 | 15 | 300,000 | 12,830,000 | 2,700,000 | 6,750,000 | 260,000 | 3,120,000 |
1,400,000 | 15 | 300,000 | 13,090,000 | 2,700,000 | 6,750,000 | 280,000 | 3,360,000 |
1,500,000 | 15 | 300,000 | 13,350,000 | 2,700,000 | 6,750,000 | 300,000 | 3,600,000 |
上記の通り、売上50万円を目指す場合は、開業資金として570万円程度が必要になります。日本政策金融公庫から借り入れする場合は、自己資金の比率が30%は必要になりますので170万円ほど準備することになります。
ただし、結婚や出産後もサロンを運営するためには、スタッフを雇用する必要があります。そのためには、最低でも150万円の売上は必要になることから、開業資金は1300万円、自己資金で400万円程度の準備が必要になります。
美容師が開業した場合の売上
開業資金が少なくても570万円、借金にして330万円程度は背負ってしまう。というリスクをご理解いただけたと思いますが、実際にいくらの売上を作ることができるのか?計算をしてみましょう。
- 営業日数:24日
- 客単価:6000円
売上高 | 月間客数 | 日客数 |
500,000 | 83 | 3.5 |
600,000 | 100 | 4.2 |
700,000 | 117 | 4.9 |
800,000 | 133 | 5.6 |
900,000 | 150 | 6.3 |
1,000,000 | 167 | 6.9 |
1,100,000 | 183 | 7.6 |
1,200,000 | 200 | 8.3 |
1,300,000 | 217 | 9.0 |
1,400,000 | 233 | 9.7 |
1,500,000 | 250 | 10.4 |
上記の通り、売上50万円を目指す場合は、1日あたり3.5名近くのお客様を対応する必要があります。1人オーナーなのでホットペッパービュティーなどの高額な集客媒体に掲載するのは難しいと言えます。
また、売上150万円を目指す場合は、1日あたり10.4名近くのお客様を対応する必要があります。スタイリストを1名雇用しても毎日10名のお客様を集客するのはハードルが高いと言えるでしょう。
美容師が開業した場合の収入
一般的に、美容室を経営する場合に必要なコストは、人件費35%、材料費10%、賃料10%、販促費10%、その他15%程度を見ておくと良いでしょう。
そのため、売上に対して80%程度はコストとして消費される。ということですが、女性美容師が1人で運営する場合は従業員の人件費35%が加算されませんのでオーナーの取り分は55%になる計算です。
では早速、いくらの収入が稼げるのかシミュレーションしてみましょう。
売上高 | オーナー1人のみ (売上に対して55%が取り分) |
従業員を雇用する場合 (売上に対して20%が取り分) |
500,000 | 275,000 | 100,000 |
600,000 | 330,000 | 120,000 |
700,000 | 385,000 | 140,000 |
800,000 | 440,000 | 160,000 |
900,000 | 495,000 | 180,000 |
1,000,000 | 550,000 | 200,000 |
1,100,000 | 605,000 | 220,000 |
1,200,000 | 660,000 | 240,000 |
1,300,000 | 715,000 | 260,000 |
1,400,000 | 770,000 | 280,000 |
1,500,000 | 825,000 | 300,000 |
売上50万円を目指してサロンを運営した場合、オーナーの収入はおおよそ27.5万円となりますので、年収は330万円になります。決して高いとは言えませんが、小さなサロンで自分の思うような運営ができる。という点では魅力的な働き方である。と考えることもできます。
しかしながら、将来的に考えるべきは「自分がいなくてもサロンを運営できること」になりますので、150万円の売上を目指して30万円の収入を得る。というのが現実ラインになるでしょう。
女性美容師が結婚や出産をしても経営を続けるための3つの準備
ここまで、女性、男性問わず美容師が独立開業した場合の、「開業資金」「売上」「収入」の目安をお伝えさせていただきましたが、やはり気になるのは「結婚」や「出産」などをしても経営を続けることができるのか?という点です。
そこで、女性美容師が結婚や出産をしても経営を続けるのための3つの準備をお伝えさせていただきます。
両親の家の近くにサロンを開業する
子供は土日などサロンが非常に忙しい時に突然熱を出したりするものです。その他にも、幼稚園や学校行事などが予約日に被ってしまうトラブルも発生するでしょう。
このような時に、最大の味方は両親です。
突破的なトラブルに対処してもらうためには両親の実家の近くにサロンを開業すると、出産後も親の助けを借りやすいと言えます。
しかしながら、旦那さんの仕事の都合などで実家の近くにサロンを開業できない場合もあるでしょう。このような時は、両親の代わりに旦那さんに協力してもらうしかないため、独立前にしっかりと理解を得られるように話し合いが必要になります。
*旦那だから協力するのは当たり前…一理ありますが必ずそうなるとは限りません。また、子育てが絶望的に苦手な旦那さんもいるので、独立することが必須条件ならば結婚相手も慎重に選びましょう。
スタッフの育成
とは言え、トラブルがある度に親や旦那さんの力を借りるのも難しいことでしょう。そのため、自分がサロンに立たなくても運営できるようにスタッフを育成することが絶対条件になるでしょう。
先ほど、女性オーナー1人であれば、売上に対して55%程度が収入になるとお伝えしましたが、スタッフを雇用する場合、オーナーの収入は20%まで下がります。
そのため、売上も月に150万円程度まで上げなければ、自分の収入30万円を確保するのも難しいと言えます。
サロンに顔出さない時でもスタッフがしっかりと働き運営できる状態までに育てる。尚且つ、スタッフが辞めないようにする。家庭もありながらサロンもマネージメントする。というのは非常に難易度が高いことだと言えます。
モチベーションの維持
子供は正直何者にも変えられない可愛さや愛おしさを秘めています。特に女性の場合は出産をきっかけに母親としての自我が目覚めることから男性以上に子供への愛情が深まることでしょう。(もちろん、子育ては大変ですが…)
加えて、旦那さんの仕事の都合で転勤などになった場合、単身赴任をしてもらう覚悟はあるでしょうか?家は引っ越し出来てもサロンは簡単には引っ越しできません。
家庭と仕事のバランスを取りながら全部をある程度上手くやる。というのは簡単なことではありません。結果的に、オーナーとしての道ではなく母親としての道を選ぶ女性美容師も当然いるのです。
ちょっと自由な働き方が出来ていいなー。程度の気持ちで独立開業する。という選択は、リスクが高すぎるため、自分自身がなぜ独立したいのか?今一度確かめる方が良いでしょう。
女性美容師の独立方法にシェアサロンがおすすめな理由
ここまで、女性美容師が独立する前に「結婚」や「出産」に備えて準備すべきことをお伝えさせていただきました。
はっきり言えば、リスクも高く先が読めない展開が多すぎることから、借金を抱えた独立はあまりおすすめが出来ません。しかしながら、「女性が働く」というのは当たり前の時代です。
せっかく手に職を付けたこれまでの経験を捨てるにはあまりにも勿体無い。そこでおすすめしたいのが「シェアサロン」で独立する。という選択です。
シェアサロンってなに?という方は「シェアサロンとは?美容師視点のメリット・デメリットを徹底分析」をご確認頂ければと思いますが、リスクなく完全自由出勤ができるシェアサロンは女性美容師にとって理想的な環境と言えるのです。
借金を抱えずに独立ができる
自分でサロンを構える場合、1000万円近くの開業資金が必要になりますし、自己資金を3割用意したとしても700万円は借金を抱えることになりますが、シェアサロン(SALOWIN利用時)を利用する場合、初期費用がゼロで綺麗なサロンを24時間使うことが可能になります。
また、機材や備品など消耗品(薬剤など)以外は無料で使い放題になりますので、専用ロッカーに薬剤や道具などを保管しておけば手ぶらで出勤することも可能になります。
1年で6割の美容室が潰れる時代ですので、数百万円〜数千万円の借金を抱えるよりもシェアサロンを利用した方がリスクが低く独立が出来ると言えるでしょう。
自分のライフスタイルに合わせて自由な出勤が可能
24時間使えるシェアサロンであれば、隙間時間に上手く予約を入れて接客することが出来ます。もちろん、子供の行事などで事前にお休みすることも自由です。
また、自分の顧客を中心に施述することが出来ますので、ママとしての立場を理解した顧客を抱えることで、急なトラブルに対しても予約の変更などがスムーズに行うことができるでしょう。
もちろん、自分のママ友をお客様にすることも出来ます。
旦那さんや両親だけでなく、お客様にも自分のことを理解してもらいながら美容師を続けるられるのは、借金を抱えずに独立出来ている。という余裕があるからこそだと言えます。
短い時間で効率的に収入を上げることができる
顧客数が少なくても高歩合であれば一定の収入を確保することも可能です。シェアサロンのSALOWINは、「固定費5万円+売上歩合20%」でシェアサロンを使うことが可能になります。
実際、シェアサロンを利用する場合と自分でサロンを構える場合の収入を比較してみましょう。シェアサロンの利用料は当社が運営するSALOWINの価格と比較を行います。
- スタンダードプラン:売上歩合20%+固定利用5万円(機材備品込み/薬剤自己負担)
- ブーストプラン:売上歩合20%+固定利用8万円(機材備品込み/HPBへの掲載/薬剤自己負担)
売上高 | 当社(シェアサロン/集客なし ) 売上80%-固定5万円-薬剤10% |
当社(シェアサロン/集客あり ) 売上20%+固定8万円+薬剤10% |
オーナー1人のみ (売上に対して55%が取り分) |
500,000 | 300,000 | 270,000 | 275,000 |
600,000 | 370,000 | 340,000 | 330,000 |
700,000 | 440,000 | 410,000 | 385,000 |
800,000 | 510,000 | 480,000 | 440,000 |
900,000 | 580,000 | 550,000 | 495,000 |
1,000,000 | 650,000 | 620,000 | 550,000 |
1,100,000 | 720,000 | 690,000 | 605,000 |
1,200,000 | 790,000 | 760,000 | 660,000 |
1,300,000 | 860,000 | 830,000 | 715,000 |
1,400,000 | 930,000 | 900,000 | 770,000 |
1,500,000 | 1,000,000 | 970,000 | 825,000 |
*売上が30万円以下の場合はスポットプラン(時間貸し)を利用することでさらに手取り額が増加します。プラン内容は平日30分750円/土日祝30分1200円になります。
上記の通り、売上50万円である場合、自分でサロンを運営すると収入が27.5万円なのに対して、SALOWINであれば30万の収入を得ることができるのです。
客単価1万円とした場合、月間の客数は50人。月12日間働いた場合、1日あたり4人程度のお客様を対応すれば30万円以上の収入を確保できます。
月に12日程度働くだけで30万円の給料が得られる。というのは非常にポイントが高いと言えるでしょう。集客に不安があれば月額5万円を追加するだけで当社が集客媒体に掲載し送客も実施します。
女性美容師でもSALOWINであればFCオーナーになれる
結婚や出産によって、現場に立てなくなった場合でも、SALOWINのFCオーナーになることが可能です。SALOWINは最新のIT技術を用いて24時間オーナー不在でも店舗が運営できる状態を構築しております。
本部のFCシステムを導入することで、今までの美容室オーナーとしての立ち位置ではなく、不動産を管理する感覚でFCオーナーとなれますので時間的な融通が効きやすくなります。
女性だから経営者にはなれない。というのは間違っている。と考えていますのでぜひ興味がある方はお問い合わせ頂ければと思います。
まとめ
女性美容師が独立する場合に結婚や出産に備えて準備すべき3つのことをお伝えさせていただきました。
結論、自分自身で借金を抱えサロンを運営するには、いくら準備を重ねても簡単なことではない。と言えます。尚且つ、現代は、シェアサロンという新しい独立のカタチが整いつつあることも踏まえて、わざわざ自分のサロンを持つ意味が薄くなったと言えます。
女性美容師が一生働ける環境がシェアサロンと言えますので、開業前に一度検討することをおすすめします。