フリーランス美容師に興味はあるけれど、売上や集客の不安で一歩踏み出せずに迷っている方は多いのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、フリーランス美容師になるまで1年以上悩み続けた末、今年8月にSALOWIN上野店で独立した後藤ちひろさん。
独立を決断するまでのリアルな不安や迷いから、フリーランス美容師になって見えてきた自分らしい働き方、お客様の反応、さらに今後の展望まで率直に語っていただきました。
1年以上悩んだフリーランス美容師としての独立までの道のり
―これまでのご経歴を教えてください。
後藤:美容学校を卒業後、地元・大阪のサロンで正社員として約4年間勤務し、そこでスタイリストとしてデビューしました。その後、上京して北千住のサロンに移り、約2年間働きました。美容師歴は現在7年目です。
今年8月にはSALOWIN上野店でフリーランス美容師として独立し、今は4か月ほどになります。
―フリーランス美容師に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
後藤:薬剤やメニュー、時間などを自分で決められるフリーランスの働き方に魅力を感じたことが大きな理由です。
大阪時代に勤めていたサロンは、一人のお客様に長く時間を取り、単価も高めで、じっくり向き合える環境でした。一方、2社目のサロンは逆で、低単価・短時間でできるだけ多くのお客様を対応することが求められました。
希望を伝えれば柔軟に対応してもらえる環境ではあったものの、自分のペースとは合わず、少しずつ違和感を覚えるようになりました。
都内で転職先を探してみても、同じようにスピード重視のサロンが多く、理想の働き方には出会えませんでした。それなら「自分でフリーランスとしてやった方が早いし、理想が叶う」と思い、フリーランス美容師になることを考え始めました。
―シェアサロンを探し始めたのはその頃ですか?
後藤:そうですね。最初は北千住エリアでシェアサロンを探していたのですが、当時は北千住にシェアサロンがなくて、北千住から近いSALOWIN柏店を見学しました。印象はとても良かったのですが、エリアが少し離れてしまうこともありその場では決めきれず、そこから半年ほど悩み続けました。
その後、やはりフリーランス美容師の働き方が諦められず、SALOWIN上野店を見学しました。顧客様の通いやすさなども考えて、上野店でフリーランス美容師として働くことを決めました。ただ、このときも見学してから決断まで半年ほどかかったので、最終的には約1年以上悩んでいたことになります。(笑)
―そんなタイミングで2026年3月に念願のSALOWIN北千住店のオープンが決まりましたよね。
後藤:そうなんです。上野店で働き始めてしばらくして北千住店オープンの話を聞き、「移動したいです!」 とすぐに伝えました。やはり慣れ親しんだ街で、長く担当させていただいているお客様も多いので、また北千住で働けるのは嬉しいです。
ただ、最近は上野にも慣れてきて、上野店のスタッフのみなさんも本当にあたたかい方ばかりなので、離れるのは少し寂しい気持ちもありますね。

フリーランス美容師になってからの働き方とリアルな集客方法
―フリーランス美容師になって生活は変わりましたか?
後藤:すごく変わりました。営業時間自体は、平日10時〜21時、土日10時〜19時で、前のサロン時代とあまり変えていないのですが、空いた時間を自由に使えるようになったのが本当に大きいです。家事や買い物、役所や郵便局の用事も、空いた時間に済ませられるようになりました。
予約次第ではまだ明るいうちに帰れることや、朝ゆっくり出勤することもできます。会社員時代には想像できなかったほど、時間に余裕のある毎日になりました。
そのおかげで、ストレスが一気に減り、私生活も含めて日常が円滑に回るようになったと感じています。
―プライベートの充実度も変化しましたか?
後藤:特別なことはありませんが、仕事の合間に必要なことを済ませられるので、休みの日を丸一日ゆっくり使えるようになりました。
まとまった時間を取れるようになったことで、趣味のパン作りも楽しめるようになっています。生地づくりから焼き上がりまで3〜5時間かかるのですが、正社員時代はなかなか時間を確保できなかったので、こうして時間をたくさん使う趣味にゆっくり取り組めるのは本当に嬉しいです。
―SALOWINに移ってお客様の反応はいかがですか?
後藤:シェアサロンは初めてのお客様が多く、最初は受付がないことやシステムに驚かれる方もいらっしゃいますが、良い反応をいただくことがほとんどです。
以前のサロンでは少し人見知りなのかな?と思っていたお客様が、よく話してくださるようになったり、半個室で他のスタッフとお客様の施術や動きが見えない安心感から、ゆったりと過ごしていただけています。
周りの目を気にせず過ごせる環境だからこそ、カラーの放置時間を楽しんでもらえるようにお菓子を用意するなど、快適な時間の演出を考えるのも楽しいですね。
―前のサロン時代のお客様は変わらず来てくださっていますか?
後藤:今のところ、6~7割ほどのお客様が来てくださっています。
前のサロンを退職するとき、お店のルールで今後についてご案内できすることができませんでした。お世話になったお客様にしっかりご挨拶できなかったことが申し訳ない気持ちで、ずっと心に引っかかっていました。
しかし、インターネットで検索してInstagramや予約サイトのSTEKINAから私のことを見つけて来てくださるお客様も多く、とても嬉しかったです。SALOWINでサロンワークを開始する前に、「お客様に直接ご案内ができず、集客がすごく不安」と本部の方に正直にお伝えしました。すると、「フルネームや顔写真を載せてオンライン上でお客様に見つけてもらいやすくすると良い」とアドバイスをもらったので、すぐに実行しました。店舗展開をしているシェアサロンでたくさんの美容師さんをサポートしてきたSALOWINだからこそいただけるアドバイスだと感じました。
別の美容師や他のサロンに変えることもできるのに、わざわざ私を探して来てくださるのが本当に嬉しいです。
―現在、集客はどのようにされていますか?
後藤:正社員時代からInstagramを活用しています。Instagramで美容師を探すときは多くの方がエリアで検索するので、「北千住」や「上野」といった地域名を入れ、こだわりも具体的に載せるようにしています。
私自身もまつ毛パーマやネイルなどを全部同じエリアで済ませたいと思うので、エリアを重視し地域密着型で打ち出しています。
フォロワーが何万人もいるわけでも、大きな成果があるわけでもないアカウントなので、フリーランス美容師になって集客できるのか最初はすごく不安でした。でも自分の想いやこだわりをしっかり発信することで、新規のお客様にも少しずつ来ていただけています。
また、「SALOWINだから」と来てくださるお客様もいます。最近、SALOWINの別の店舗に通われていた方が上野に引っ越されて、私のところに来てくださいました。その方は個室の空間でマンツーマン接客のSALOWINのスタイルを気に入っており、別の個室サロンを探すよりも、勝手がわかっていて安心なSALOWINで働く美容師として私を選んでくださったようです。
「そのパターンもあるのか!」と驚きましたが、SALOWINを選んで良かった、とありがたく思うことができました。
―フリーランス美容師になるにあたって、他に不安はありましたか?
後藤:前のサロンではホットペッパービューティーの集客に力を入れていたので、それがなくなることや、北千住から上野への移動もあり、不安だらけでした。だからこそなかなか踏み切れずにいましたね。
でも、1年考えてみてそれでも挑戦したい気持ちがあるのだから、やってみるしかない!と思いました。最悪うまくいかなかったら足りない生活費はアルバイトで稼ごうくらいの気持ちでした。
また、地元の大阪でSALOWINで働いている友達がいたので、その友人に相談もしました。話を聞いてみると「収入はそんなに変わらないけど、自由な時間がすごく増えたよ!」とポジティブな答えをもらえました。それで「悩み続けるよりやってみないとわからない」と思い、決断しましたね。その決断をして本当に良かったなと思えています。

フリーランス美容師仲間との交流と働きやすさ
―他のフリーランス美容師さんとの交流はありますか?
後藤:みなさん本当にあたたかくて仲が良いです。空き時間にお茶をしたり、ご飯に行ったりすることも多いですね。
最初は、フリーランス美容師になると孤独で、全員がライバルで、知識もあまり共有しないのかなとイメージしていました。でも実際はまったく違いました。
薬剤のことを教えてくれたり、「使ってみます?」と自分の薬剤を使わせてもらえたりしますし、誰かが困っていたら助け合えるとても良い関係です。SNSや税務など美容以外のことも相談でき、フリーランス美容師の先輩に教えてもらえるのはとても心強いですね。
同じ場所で働いていてもチームで回したりするわけではないので、仕事面で嫌な人間関係はほとんどなく、むしろ円滑に進められます。美容師の知り合いができたような感覚です。
意外と美容師の知り合いって、働いているところ以外で増えないのですごく嬉しいです。

今後の展望とフリーランス美容師を目指す人へのメッセージ
―今後の展望はありますか?
後藤:まずは1人のフリーランス美容師として朝から晩まで働けるように、さらに集客を頑張り、お客様を増やしていきたいです。
ただ、今のお客様の予約が取りにくくなるようなことは避けたいので、そのバランスを考えながら、自分の理想の形をつくっていくことが楽しいですね。考えること自体も楽しめています。
また、SALOWINは全国の店舗を利用できるので、今後は大阪に帰省したときに、地元の店舗で家族や友人のカットをしたりしたいですね。これまでは実家のお風呂場で苦労しながらカットすることも多かったので、帰省中でも普段と近い環境で施術できるのはとても便利だと思います。(笑)
直近でいうと、1番は北千住店への移動が楽しみです。新しくできるきれいなお店なので、どんな雰囲気になるのか今からワクワクしています。それまでは、残りの上野ライフを満喫したいと思っています。
―最後に、フリーランス美容師を目指す方や、迷っているけれど一歩踏み出せない方に向けて、メッセージをお願いします。
後藤:私自身がすごく小心者で、決断まで1年も悩みました。だから踏み出せない気持ちはよくわかります。でも、やってみると意外となんとかなるものです。周りを見ても、うまくいっていない人はほとんどいません。
指名がゼロの状態だとさすがに怖いかもしれませんが、もし困ったことがあればSALOWINの本部の方がアドバイスしてくれますし、サポートも手厚いので安心です。最悪どうにもならなかったら、本部の方が助けてくれるだろうなと思えるのも心強いですね。
今日もこの後、上野店のメンバーでSALOWIN本部の方が開催してくれる集客勉強会に参加してきます。1人の美容師からの相談で本部の方が色々動いてくれるサロンはないんじゃないかなと思います。
会社員時代は人間関係やネガティブな感情で悩むこともありましたが、今は悩みのほとんどがポジティブなものになりました。たとえば、「お客様の予約が取りにくくならないようにどうするか」「お客様の希望に応えるには何ができるか」といった悩みです。悩み自体が前向きなので、考えるのも楽しいです。
単価について考えるときも「お客様にとっては高いかもしれないけど、売上的には下げづらい」と思ったときに、「じゃあ、もっと自分の技術を高めてお客様に満足してもらえるようにしよう」と考えるようになりました。前のサロンでは、練習しなきゃと思うことはありましたが、今はお客様のために自然に練習しようと思える自分に正直驚きました。
直接お客様のことを考えながら働けるのが、本当に楽しいです。昔の自分を振り返ると、あまり考えすぎることもなかったなと思います。毎日とても前向きに働けているので、迷っている方には思い切って一歩踏み出してほしいですね。
一歩踏み出した先に広がる自分らしい働き方
フリーランス美容師として独立する道は、自由や楽しさがある一方で、不安もつきものです。後藤さんも1年以上悩みながら、それでも理想の働き方をあきらめず一歩を踏み出しました。
SALOWINは売上や集客に悩む方へのサポート体制が整っており、不安を抱えながらでも挑戦しやすい環境です。
勇気を出して踏み出せば、新しいお客様との出会いやスキルアップ、自分らしい働き方が待っています。今の気持ちに素直に向き合い、新たな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

