美容師の独立はなぜ失敗する?5つの原因と「個」に投資する必要性を解説

フリーランス美容師のためのシェアサロン SALOWIN 美容師の独立

美容師であれば将来独立し自分のサロンを構える。という夢を誰しもが持っていることだと思います。事実、全国には24万店舗も美容室が存在しておりますので、自分の夢に向かって独立している人は非常に多いと言えます。

ただし、1年間で閉店する美容室の割合は約60%。10年続く美容室は全体の5%しかないのも事実です。

若い頃からがむしゃらに技術を学び多くの顧客を抱える美容師が独立しても失敗してしまうのはなぜなのか?これには5つの原因があると言えます。

今回は、この5つの原因について徹底解説を行いたいと思います。

美容師の独立で失敗する5つの原因

美容師の独立で失敗する5つの原因について早速お伝えしたいと思います。

事業計画が甘い

まず、美容師が独立する場合、大半の人は「日本政策金融公庫」からの借り入れを行うことでしょう。その際、融資を受けるために事業計画を提出するのですが、「ぶっちゃけ融資を受けるための事業計画を作ってませんか?」と問いたいところです。

例えば、「ホットペッパービュティーを使うので集客には困らない。」「人を雇わないので利益を出しやすい。」「顧客○人を抱えているので集客は心配ない。」などなど、自分に都合が良い内容を並べて黒字化の計画を立てることでしょう。

実際、余程酷い内容で無ければ「日本政策金融公庫」の審査は通過するでしょう。ただし、上記の黒字化を達成させるプランにどのような根拠がありますか?チクチク細かい部分を刺して見たいと思います。

ホットペッパービュティーを使うので集客には困らない なぜですか?あなたの出店するエリアに競合サロンはゼロですか?なぜあなたのお店を選びますか?
人を雇わないので利益を出しやすい 売上に対する賃料負担率や投資コストは何%でしょうか?老朽化時の再投資費用は見積もっていますか?体調を崩した場合のリスクヘッジは?
顧客○人を抱えているので集客は心配ない その顧客は何名が来てくれますか?実証実験しましたか?顧客の離脱時に新規客の獲得方法と投資コストはいくらですか?

などなど、上記以外にも穴を突こうと思えばいくらでも出てくるものです。冷たく言えば、お客様にとってあなたのサロンは24万店舗の中のたった1店舗に過ぎない。という事実です。

現在の状況を考えれば、

  • 価格が高く接客が良いサロンもあります
  • 低価格で毎月通えるサロンもあります
  • 好立地で営業時間も長く利便性の良いサロンもあります
  • 髪質改善などブームに乗ったサロンもあります
  • 著名美容師のサロンもあります

顧客が求めるニーズを満たすサロンはいくらでもあるのです。その上で、なぜ、成功するのか?感性ではなくロジックで説明しない限り閉店が近くだけでしょう。

人材マネージメントが上手くいかない

完璧な事業計画を作り上げたとしても油断はできません。美容室経営者(飲食などサービス業種全般)が口を揃えて話す内容と言えば「人材」についてです。

サービス業種はどこもかしこも人手不足なのです。美容師の平均離職率は1年で50%、3年で80%、10年で92%と言われています。要は、ほとんどの美容師は辞める。という話ですね。

これを「高い給料で維持させる」「しっかりマネージメントして離職しないようにする」など根拠の無い感情論で対策しようとしても無謀だと言えるでしょう。

実際、「今、あなたは美容師として独立しようとしていますよね?」そう、あなたも辞めるのです。皆、同様に辞めるのです。ゼロから手塩にかけて育てたとしても辞める日が来るのです。

その前提で、1人辞めた場合の店舗の損失を月100万円程度と見積もり再雇用及び一時的な収益ダウンに対して対策を講じておく必要があります。

良いか悪いかは別としてこのような対策を講じる美容室があります

  • 退職時には個人アカウントのInstagramを削除させている
  • 顧客カルテを持ち出せないように電子化している
  • 退職を告げた日にすぐに辞めさせて顧客を持っていかれないようにしている

雇われ側からすると「何じゃそりゃ!?」という話ですが、「オーナー視点ならやって当然」とも思えませんか?要は、甘いこと言っても経営なんて出来ないよ。という話の裏返しです。

初期投資を掛け過ぎた

いざ、独立!となれば、周囲の知人や美容師仲間を含めて宣伝することになるでしょう。その際、少しでもカッコ良いサロンにしたいですよね。それに、駅近など好立地の方が成功しそうです。

ただし、この初期投資の使い込みが原因で運転資金が足りなくなり閉店してしまう場合も多いのです。では、美容室の開業時に必要な資金はどの程度なのか?目安をお伝えしたいと思います。

美容室の開業時に必要な資金(一例)

  • 不動産物件の保証金+仲介手数料:月額賃料のおおよそ8ヶ月〜10ヶ月分(賃料50万ならば500万円くらい)
  • 内装投資:坪あたり50万円〜60万円程度(25坪のサロンであれば1250万円〜1500万円)
  • 薬剤や備品の仕入:100万円程度
  • 合計:1850万円〜2100万円

ざっくり、賃料50万円で25坪のサロンを開業する場合は、初期費用として1850万円〜2100万円くらいは掛かるのです。ここに、求人媒体費や集客媒体費が加算されますし、日々の運転資金の準備も必要になりますので3000万円程度は用意しておきたいのが本音でしょう。

その際に、2100万円を初期費用の予算とした場合に、内装を少しこだわってしまい+100万円の2200万円の施工費に上がってしまったとします。

内装自体は、自分の思うようになり満足度も非常に高い。これであればお客様もより喜んでくれるだろう。そのためなら+100万円は安いものだ。と考えてしまう人は要注意です。

100万円あれば何ができるのか?「自分の給料3ヶ月分」「賃料の2ヶ月分」などなど、初期費用が2100万円から2200万円に上がる。という視点だけで見ると必要な投資に見えても、その100万円で何が出来るのかを考え、本当に内装に投資すべきなのか?冷静になるべきでしょう。

数字を分析し改善策を立案できない

サロンがオープンした当初は以前からの顧客が何度か来店してくれたため、なかなか悪くないスタートを切った。ただ、売上は伸びていくのではなく横ばい。月によっては前月比を割っている。ホットペッパービュティーにも掲載しているが、思ったより集客が出来ていない。なぜだろう。原因も対策も分からない。

という、オーナーも非常に多いのです。

そもそも、お店を出してホットペッパービュティーに掲載すれば売上が上がるほど簡単な話であれば、1年に6割も閉店しないですよね。経営者として、この状況をどのように分析し改善するのか?数字を読み解く力が試されているのです。

再建策が見出せず経営に疲れてしまう

ただ、残念ながらサロン業務が忙しいオーナーはじっくり数字を読み分析し改善案を考える時間など用意されていません。当然、ゼロから勉強していては先にサロンが潰れてしまうでしょう。

そのため、一生懸命ビラを配ってみたり、価格を下げてみたりなど想定される打ち手を講じるものの結果に結びつかない。追い討ちを掛けるようにスタッフが退職してしまう。

このようにして、経営に疲れ果ててしまいサロンを閉店するしか選択肢が無くなってしまうのです。いくら美容師経験が豊富でも経営経験や知識が乏しければ24万店舗の競合に飲み込まれてしまう。ということです。

美容室の新規開業の難易度は上がっている

ここまで、美容師が独立する場合になぜ失敗してしまうのか5つの原因について解説を行いました。非常にシビアに現状を解説しましたので、「誰がやっても失敗するのではないか?」と思った方も多いでしょう。

そうです、正直なところ美容室を開業し成功するハードルは確実に上がっている。と言えます。

この理由には、様々なニーズを満たしている美容室がすでに存在している。少子高齢化で客数は絶対的に減少する。他業種から美容業界に参入している。美容室の業種自体がそもそも差別化が困難な業種。など様々な要因が挙げられます。

上記の通り、レッドオーシャン化した荒波の中に、毎年1万店舗の新しい美容室が誕生していることを考えれば、成功する確率が極めて低いことはお分かり頂けるでしょう。

自分のお店を持つよりも「個」に投資する時代

美容師として雇われている以上、余程の有名サロンの幹部でない限りは月給30万円〜40万円が関の山でしょう。スタイリストクラスでは月給25万円〜30万円程度かもしれません。

この程度の給料では家族を養うことも簡単ではないでしょうし、退職金などもない美容師からすれば将来の蓄えについても不安が残ります。当然、いつまでも現役でいることも難しいでしょう。

そのような時、「自分のお店を持つことがあなたの将来設計において絶対条件なのか?」今一度考えて頂きたいと思います。

今の時代、シェアリングエコノミーが浸透し、数千万円の借金を抱えて独立するのではなく、シェアサロンを利用するだけで簡単に独立が出来てしまいます。

大半のシェアサロンは利用料を除いても80%近くは還元されますし、完全自由出勤なので自分のペースで仕事を続けることが可能なのです。

そこで考えたいのが、「店舗を作るコストである数千万円の借金がゼロだったら何ができますか?」という点です。答えは確実に「個」への投資であると言えます。

美容室ではなく美容師で選ばれる時代になる

民泊のAirbnbやライドシェアリングのuberなど聞いたこともあると思いますが、民泊を運営する人やドライバーはこぞって収入をアップさせています。

美容師にもシェアサロンというものが用意され始めている状況を考えると、昔のように自分のお店を持つことが必ずしも正解である。とは到底言えない時代でしょう。

むしろ、自分のサロンに数千万円を投資するならば、自分自身に投資した方が圧倒的に価値を発揮します。要は、店なんてどこにでもあるので価値はないのです。

一方、あなたはあなた一人しかおらず、あなたを求める顧客が存在している。だからこそ、より魅力的な美容師になるために自分自身に投資をする。これからの時代は、このように「個」が活躍する時代です。

人との出会いを作るためにお金を使っても良い。体験にお金を使い幅を広げても良い。自分のInstagramを広告出稿して集客しても良い。この程度の投資であれば数千万円も必要なく、10万円程度で出来てしまうでしょう。それでも、箱にお金を使うよりも圧倒的にリターンを生み出してくれることは間違いないでしょう。

昔の価値観から脱却し変化していくことが今の美容師には絶対的に求められている。と言えます。

まとめ

美容師の独立が失敗してしまう原因について解説を行いました。

今の時代、必ずしも独立し店舗を構えることが美容師のGOALでは無くなりつつあります。どこにでもある美容室を1つ追加するのではなく、あなたの個性を磨くために投資をした方がこの先圧倒的に有利になります。

そして、シェアサロンの普及により「個」が主体となり活躍できる環境が整いつつあることから、過去の固定概念を捨て去り、新たなチャレンジをしていくべきだと言えるでしょう。