美容室を開業する際、必要な什器や設備の選定は、非常に重要なステップです。何をどのタイミングで用意するかによって、内装工事や施工全体のスケジュールに大きな影響を及ぼします。
美容室を開業する時、什器や設備の選び方は売上や集客力に直結します。シャンプー台の位置ひとつで作業効率が変わり、セット面のデザインでお客様の第一印象が決まることも。
この記事では、美容室開業に必要な什器・設備を一覧で整理し、発注の流れやおすすめ業者、準備漏れを防ぐチェックポイントまで徹底解説します。
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美容室の開業に必要な什器・設備と内装工事の連携が成功の鍵
美容室の内装工事と什器の設置は、切っても切れない関係です。設備の納品を後回しにすると、内装工事と干渉してしまい、工期の遅れや追加費用が発生する可能性があります。そのため、美容室開業に必要な什器・設備の選定は、内装設計と並行して早い段階で行うことが望ましいです。
具体的には、シャンプー台やセット面のサイズや配置を確定させ、それに合わせて配管や電気配線の位置を調整する必要があります。設計者、内装業者、什器メーカーの3者間で綿密にスケジュールを共有し、搬入経路や納品日を確定させておくことが、スムーズな開業の秘訣です。
シャンプー台の選び方と発注のポイント
美容室開業に必要な什器・設備の中でも、シャンプー台は特に重要な設備のひとつです。動線や水道設備との兼ね合いで早期決定が求められます。
シャンプー台の種類にはサイドシャンプー、バックシャンプー、フルフラットタイプがあり、それぞれ特徴や設置スペースが異なります。
多くのオーナーは、サイドシャンプーとバックシャンプー両方に対応できるタイプを選ぶことで、利便性を高めています。また、実際にメーカーのショールームで試座して使い勝手を確かめることも重要です。
主なショールームは、東京のビューティーガレージや、代々木のオオヒロ、横浜のタカラベルモントなどが挙げられます。
発注に関しては、内装工事の進行と搬入日を調整し、内装業者と什器ディーラー、店舗オーナー間で連絡を密にすることが、トラブル回避のポイントです。
セット面と鏡の選択基準と準備
セット面は、美容師の作業効率やお客様の快適性に直結し、かつ店内の印象を左右する重要な什器です。コストを抑えるためにオーナー自身がインターネットで購入するケースもありますが、デザイン性を重視するなら、内装業者に造作を依頼するのがおすすめです。
セット面のサイズやスタイル、素材は内装全体の雰囲気と調和させる必要があります。予算配分は、内装と設備に分けて専門のデザイナーと相談しながら進めるのが効果的です。搬入ルートの確保も忘れずに行いましょう。
給湯・貯湯設備の役割と手配の流れ
10坪から15坪程度の店舗では、内装業者が給湯設備を手配することが多いですが、20坪以上になると貯湯装置の導入が必要となり、こちらはシャンプー台メーカーからの発注が一般的です。
給湯設備は使用するシャンプー台の台数や水圧、接客数に応じて選定されるので、シャンプー台決定後に内装業者と相談して手配するのが効率的です。
レジカウンターの選び方と設置ポイント
レジカウンターは美容室の「顔」とも言える存在で、店舗の印象を左右する大切な什器です。コスト重視なら、オーナー自らネット購入することも可能ですが、スペースやデザインを重視する場合は、内装業者にオーダーメイドを依頼しましょう。
また、会計スペースをセット面と一体化することで、省スペース化を図るケースもあります。レジカウンターには収納が求められるので、備品の置き場所を充分に確保し、機能的に設計することが重要です。
POSレジ・決済端末の最新トレンドと導入方法
美容室の決済システムは、IT化が進んでおり、多様なPOSレジや決済端末が利用可能です。オーナーが自ら発注・導入を行うケースが多く、機能性や決済手数料、導入コストを比較しながら選ぶのがポイントです。
代表的なサービスには、リクルートのAirレジ+Airペイ、Square、STORES決済、楽天ペイ、USENのUレジ BEAUTYなどがあります。用途や規模に応じて、最適なシステムを選びましょう。
洗濯機の選定と配置の注意点
美容室の洗濯機は、オーナー自身が手配することが多い設備です。縦型・ドラム式などの形状や容量を考慮し、搬入経路や設置スペースの確保を優先して選びます。設置場所によっては、防水パンの設置や排水設備の確認も必要となるため、内装業者と連携しておくと安心です。
スタイリングチェアのおすすめ3選
スタイリングチェアは、美容室の顔となる什器であり、開業時の購入で予算を抑えたい場合は、信頼実績のある製品を選ぶのが賢明です。以下は弊社Studio.Sumutocoで採用実績があるおすすめ3機種です。
- ファブリスRC [Type-M](約5.5万円):女性らしいリッチなデザインで上品な空間づくりに最適。
- スタイリングチェア BULINO(約6〜7万円):アンティーク調の店舗にもマッチするクラシカルな雰囲気。
- スタイリングチェア OS-03 ブラック(約3.5万円):コストパフォーマンスに優れ、新規開業におすすめ。
これらの什器はコストとデザイン性のバランスが良く、多くの美容室で実績があります。チェア選びは、サロンのコンセプトに合わせて行いましょう。
👉こちらもおすすめ!『美容室の補助金・助成金ガイド|開業・改装を支援【2025年版】』
美容室の開業に必要な主な什器・設備一覧
シャンプー台
- 種類:バックシャンプー、サイドシャンプー、フルフラットシャンプー
- 特徴:水回りの動線に直結。快適性やデザインで差別化可能。メーカー例:タカラベルモント、ビューティーガレージなど。
- 設置ポイント:配管・給湯設備との連携必須。搬入経路の確認も重要。
スタイリングチェア(椅子)
- 種類:アンティーク調、モダン、シンプルデザイン
- ポイント:美容師の作業効率と顧客の座り心地に影響。価格帯は3万円~7万円前後。
- おすすめ例:ファブリスRC、BULINO、OS-03など。
セット面・ミラー
- 役割:カット・セットの作業場所。店舗の内装イメージの要となる。
- 選択肢:オーダーメイド造作や既製品の購入。
- 注意点:鏡のサイズ、収納スペースの有無、デザイン性を考慮。
レジカウンター(受付カウンター)
- 機能:会計、予約管理、接客スペースとして重要。
- タイプ:オーダーメイド造作または既製品。
- 設計ポイント:収納力と顧客の視線に入るデザイン性。
POSレジ・決済端末
- 種類:Airレジ、Square、楽天ペイ、Uレジ BEAUTYなど
- 特徴:決済手数料・対応決済方法・連携機能で選択。
- 備考:タブレット連動や予約管理機能も。
給湯・貯湯設備
- 用途:シャンプー台に温水を供給。
- 注意点:シャンプー台の数や水圧に合わせた容量設計が必要。
洗濯機
- 種類:縦型・ドラム式
- ポイント:設置スペースの確保と搬入ルートの確認が重要。
照明設備
- 役割:作業に適した明るさと演出用のデザイン照明を両立。
- 注意点:自然光の取り込みと人工照明のバランス。
備品収納
- 用途:カラー剤、パーマ剤、タオルなどの備品管理。
- 設計ポイント:十分な収納量と取り出しやすさ。
空調設備
- 重要性:快適な室温維持と換気。
- 設置例:エアコン、換気扇。
その他備品
- ハサミ、コーム、ダッカール、クリップ、タイマー、スプレイヤー
- パーマロッド、カラー剤、ロッドアウト容器
- タオル、コットン、保護クリーム
- 石鹸、ハンドソープ、マスク、ゴム手袋
- 雑誌・漫画、電球、トイレットペーパー、ティッシュなどの消耗品
美容室開業に必要な備品のリストと補助金活用のポイント
美容室の開業において、什器や大型設備だけでなく、日々の営業に欠かせない細かな備品も揃える必要があります。パーマ剤やカラー剤、ヘアコーム、ハケ、タイマーなどは、消耗品のためつい後回しになりがちですが、これらの準備も早めに計画しましょう。
特に、使用する薬剤や用品が決まっている場合は納期も考慮し、オープンの2〜3日前に確実に届くよう発注スケジュールを組むことが大切です。
また、備品は想像以上に収納スペースを必要とするため、内装設計段階でどの場所にどれだけの収納が必要かを、デザイナーと共有しておきましょう。
主な美容室の備品一覧
- ヘアコーム、染料カップ、ハケ
- パーマ剤、カラー剤、ロッド
- ダッカール、クリップ、ロッドアウト容器
- スプレイヤー、タイマー、計り
- ゴム類、ペーパー、アルミホイル
- タオル、コットン、保護クリーム
- シャンプー・トリートメント、各種ストック
- ゴム手袋、石鹸、ハンドソープ
- 雑誌、漫画、マスク
- 電球、トイレットペーパー、ティッシュなど消耗品
補助金・助成金を活用した節約方法
美容室の開業時の什器や設備投資には、公的な補助金や助成金を活用できる場合があります。ITツール関連では「IT導入補助金」があり、POSレジや予約システム、会計ソフトの導入費用を一部サポートしてもらえます。
また、「小規模事業者持続化補助金」や「ものづくり補助金」も、設備投資の幅広い経費を補助対象としています。
これらの制度を利用すれば、初期費用の負担軽減につながるため、申請条件をよく調べて積極的に活用しましょう。地域の商工会議所や、中小企業支援センターに相談するのもおすすめです。
効果的なスタッフ研修や助成金の活用については、こちらの【美容室スタッフ教育×定着率アップ|2025年版助成金×研修プログラム】の記事が参考になります!
美容室開業に必要な什器の選定と発注はリスト化と優先順位が重要。おすすめの業者は?
準備をスムーズに進めるには、必要什器や備品をリストアップして管理することがポイントです。抜け漏れや重複を防ぎつつ、優先順位をつけて購入計画を立てましょう。また、コストを抑えたい場合は新品にこだわらず、レンタルや中古什器の利用も検討すると良いでしょう。
おすすめの什器・設備業者の選び方
メーカー直販、専門ディーラー、内装業者、ネットショップなどから購入できますが、信頼性やアフターサービスの充実度を基準に選ぶのがおすすめです。初めての開業なら経験豊富な業者を選び、ショールーム訪問で実物確認や試用を行うことも重要です。
搬入経路と設置環境の確認でトラブルを回避
大型什器は、搬入時に通路やドアの幅、高さ制限で問題が起こることがあります。搬入ルートの寸法を事前に測り、設置場所の水道・電気配管の位置も確認し、内装業者や設備メーカーと情報共有を密にしましょう。これにより、スムーズな施工が可能になります。
まとめ
美容室の開業にあたっては、シャンプー台、スタイリングチェア(椅子)、セット面・ミラー、レジカウンター、POSレジや決済端末、給湯・貯湯設備、洗濯機、照明設備、備品収納、空調設備など、多岐にわたる什器・設備を揃えることが不可欠です。
これらは単に機能的であるだけでなく、店舗の内装や雰囲気づくりにも大きな影響を与えます。特に美容室の開業に必要な什器という観点では、設備の選び方や配置が、集客力や作業効率に直結するため、慎重に検討する必要があります。
シャンプー台は、美容室の動線や給排水設備と密接に関係しており、早期に選定して設計に反映させることが重要です。バックシャンプーやサイドシャンプー、フルフラットタイプなど多様な種類があり、使用感や設置スペースに応じて選びます。スタイリングチェアは美容師の作業性やお客様の快適性に直結し、価格やデザインも幅広いため、予算とコンセプトに合ったものを選ぶことがポイントです。
また、セット面とミラーは、美容室の顔とも言える部分で、オーダーメイドの造作か既製品の購入かを判断しながら、デザイン性と機能性を両立させる必要があります。レジカウンターは会計や接客の要であると同時に、店内の印象を左右するため、収納力やデザインを重視して選びます
給湯・貯湯設備はシャンプー台の使用台数や水圧によって適切な容量を選び、店舗の規模に応じて内装業者やメーカーと連携して設置します。
また、パーマ剤やカラー剤、タオル、消耗品などの備品収納も見逃せません。適切な収納スペースを確保することで効率的な作業が可能になり、在庫管理も楽になります。
総じて、什器や設備の選定は単なる購入作業ではなく、店舗設計や経営戦略の一環として捉え、内装業者やデザイナーと早期から連携しながら進めることが望ましいです。
予算や機能性、デザインのバランスを考え、必要に応じて中古品やレンタルの活用、補助金の利用も検討しましょう。これらを踏まえた準備が、美容室の開業成功につながります。
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