美容師が独立すると年収はいくらになる?売上高別にシミュレーション

フリーランス美容師のためのシェアサロン SALOWIN 美容師の独立

美容師の平均年収は200万円代後半と言われる中で、この苦境を脱するためにも「オーナーになりたい」と考える美容師は非常に多いことでしょう。

では、オーナーになると一体いくら稼げるのか?

1つの目安として考えるならば、「売上に対して20%がオーナーの収入」になると言えます。もちろん、サロン規模などによって想定年収は大きく変動することから、今回は、売上高別にオーナーの想定年収をシミュレーションしてみたいと思います。

美容師の平均年収は284万円

平成29年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」を参照すると、美容師の平均月給は約23万円(平均年齢32歳)となっており平均年収は284万円前後になります。

役職別の平均年収は実態調査が実施されておりませんが、おおよそ、アシスタントで150万円〜180万円、スタイリストで250万円〜300万円、店長やマネージャーで300万円〜400万円程度と想定されるでしょう。

問題は、上記の平均年収からなかなか上がらない。という点です。正社員で働く美容師の場合、余程の有名サロンの幹部にならない限りは年収500万円を超えるのも難しい状況にあるでしょう。

そのため、多くの人が独立開業し美容師ドリームを目指す訳ですが、実際問題オーナーになるといくら稼げるのか?疑問が残ります。そこで、オーナーの給料を売上高別にシミュレーションしたいと思います。

美容師が独立すると年収はいくらになるかシミュレーション

一般的に、美容室を経営する場合に必要なコストは、人件費35%、材料費10%、賃料10%、販促費10%、その他15%程度を見ておくと良いでしょう。そのため、売上に対して80%程度はコストとして消費される。ということです。

従って、オーナーの取り分となるのは売上からコスト80%を引いた20%がオーナーの取り分と言えるでしょう。また、従業員を雇用しない1人運営の場合は55%がオーナー取り分になります。

では、売上高別にオーナーの収入をシミュレーションしてみましょう。

売上高 オーナー1人のみ
(売上に対して55%が取り分)
従業員を雇用する場合
(売上に対して20%が取り分)
100,000 55,000 20,000
200,000 110,000 40,000
300,000 165,000 60,000
400,000 220,000 80,000
500,000 275,000 100,000
600,000 330,000 120,000
700,000 385,000 140,000
800,000 440,000 160,000
900,000 495,000 180,000
1,000,000 550,000 200,000
1,100,000 605,000 220,000
1,200,000 660,000 240,000
1,300,000 715,000 260,000
1,400,000 770,000 280,000
1,500,000 825,000 300,000

オーナー年収360万円を達成するための条件

月に30万円程度の収入が確保できないとなかなか日々の生活も満足に送ることができないでしょう。そこで、オーナーとして、まずは最低限確保したい年収360万円(月給30万円)を達成させるための条件をお伝えします。

算出条件

  • 営業日数:24日
  • 客単価:6,000円
  • 目標月収:30万円

オーナーのみで年収360万円を目指す場合

まず、オーナー1人のみで営業する場合は、月間売上高54.5万円、客数91人が必要になりますので、1日あたり3.8人のお客様を接客する必要があります。

1日4人弱ということなので、サロンの営業時間は8時間も確保しておけば十分でしょう。ただし、集客に使える予算は月に5万円程度になりますのでホットペッパービュティーを使わずに1日4人弱の集客を実現する必要があります。

そのため、独立前に固定客をしっかりと確保することやなるべく競合が少ない1階路面店舗へ出店するなど綿密な戦略が必要になることは変わらないでしょう。

従業員を雇用し年収360万円を目指す場合

次に、従業員を雇用する場合は、月間売上高150万円、客数250人が必要になりますので、1日あたり10.4人のお客様を接客する必要があります。

この場合、サロンの営業時間を10時間とすると、1時間あたり1人のお客様を接客している計算になります。土日などの繁忙期に予約枠を最大限に確保できるようにスタッフはスタイリスト1名、アシスタント1名程度の確保はしたいところです。(これで1人あたりの売上高が50万円になりますので平均的な数字と言えるでしょう。

セット面としては4席あれば十分だと言えますが、1人しかスタイリストがいませんので退職者が出てしまうと急速に経営状況は悪化してしまうリスクがあります。

また、集客に使えるコストは月に15万円までになりますので、1階路面店舗でなるべく賃料が安い場所に出店することが重要です。理想は坪単価1万円が基準になるでしょう。

オーナー年収1000万円を目指すために必要な条件

さて、オーナーになって年収360万円なんて夢が無さ過ぎる…と考える人も非常に多いことでしょう。そこで、年収1000万円を達成させるための条件を計算してみたいと思います。

算出条件

  • 営業日数:24日
  • 客単価:6,000円
  • 目標月収:83万円

オーナーのみで年収1000万円を目指す場合

まず、オーナー1人のみで営業する場合は、月間売上高151万円、客数253人が必要になりますので、1日あたり10.5人のお客様を接客する必要があります。

この場合、サロンの営業時間は最低でも12時間程度は必要になると言えるでしょう。10時〜22時までほぼノンストップでお客様が入り続ける状態にしなければ年収1000万円は達成しませんので非常に高い目標と言えるでしょう。

もちろん、販促費で使える予算は月に15万円程度しかありませんので、ホットペッパービュティーに掲載しようにも集客が期待できる上位プランの契約は難しく自力集客が求められることになります。

従業員を雇用し年収1000万円を目指す場合

次に、従業員を雇用する場合は、月間売上高416万円、客数694人が必要になりますので、1日あたり29人のお客様を接客する必要があります。

この場合、サロンの営業時間を上記同様に12時間とすると、1時間あたり2.4人のお客様を接客している計算になります。土日などの繁忙期に予約枠を最大限に確保できるようにスタッフはスタイリスト4名、アシスタント2名程度の確保はしたいところです。(これで1人あたりの売上高が60万円になりますので平均的な数字と言えるでしょう。

従業員を雇用する場合は、席数を確保できる広いサロン(上記の場合は6席は必要)を作る必要がありますので、その分だけ初期費用や賃料が増加します。

スタッフが常に確保できるなら問題ありませんが、退職が続くと店舗の売上も減少し、賃料負担率が急激に上がり経営が悪化する危険性があります。

シェアサロンと独立開業時の年収を比較

さて、ここまでオーナーになった場合にいくらの年収が稼げるのか?売上高別にシミュレーションしました。月給30万円程度であれば再現性も高いと言えるでしょうが、年収1000万円になると相当ハードルは上がると言えます。

では、美容師の独立手段のもう1つの方法として、最近注目を集めるシェアサロンへ入居した場合は、オーナーの年収がどのように変わるのか?独立し自分のサロンを持つ場合と比較してみましょう。

売上高 当社(シェアサロン/集客なし )
売上80%-固定5万円-薬剤10%
当社(シェアサロン/集客あり )
売上20%+固定8万円+薬剤10%
オーナー1人のみ
(売上に対して55%が取り分)
従業員を雇用する場合
(売上に対して20%が取り分)
300,000 160,000 130,000 165,000 60,000
400,000 230,000 200,000 220,000 80,000
500,000 300,000 270,000 275,000 100,000
600,000 370,000 340,000 330,000 120,000
700,000 440,000 410,000 385,000 140,000
800,000 510,000 480,000 440,000 160,000
900,000 580,000 550,000 495,000 180,000
1,000,000 650,000 620,000 550,000 200,000
1,100,000 720,000 690,000 605,000 220,000
1,200,000 790,000 760,000 660,000 240,000
1,300,000 860,000 830,000 715,000 260,000
1,400,000 930,000 900,000 770,000 280,000
1,500,000 1,000,000 970,000 825,000 300,000

驚きの結果だと思いますが、オーナーとして独立し自分のサロンを作るよりもシェアサロンを利用した方が自分の収入が増える結果となりました。

当社(SALOWIN)は、スタンダードプランが売上歩合20%+固定利用5万円で利用が可能になります。薬剤費は自己負担になりますので上記のシミュレーションは売上に対して10%を薬剤費としています。

また、ブーストプランはホットペッパービュティーへの掲載が可能なプランになり売上歩合20%+固定利用8万円で利用が可能になります。同様に薬剤費は10%を引いております。

当然、SALOWINはシェアサロンになりますので、出店に関わる費用は全て無料です。加えて、初期費用もゼロで機材や備品関連も全て使い放題になります。

もはや、借金を抱えてまで自分のサロンを持つメリットは限りなく低い状態になっていると言っても過言ではないでしょう。

まとめ

美容師が独立した場合に年収はいくらになるのか?売上高別にシミュレーションを行いいました。

年収360万円程度であれば十分に再現性は高いと言えますが、年収1000万円クラスになると非常に難易度は高くなりますし、従業員を雇用する場合はリスクも増大することになります。

その点、シェアサロンであれば売上に対してオーナーの取り分が自分のお店を構えるよりも高くなることから、独立を考える美容師はシェアサロンという選択も入れた上で今後のキャリアを検討すると良いでしょう。