美容師の平均年収は2010年代後半、「200万円台後半」が通説でした。
――そこから6年、2023年の厚労省統計では379.7万円へ大きく伸びています。それでも
「もっと稼ぎたい、いつかは自分の店を持ちたい。」
と独立を志す美容師は後を絶ちません。
では、オーナーになると実際いくら手取りが残るのか?
経験則では「売上の約20%がオーナー収入」が1つの目安ですが、スタッフ数や席数、家賃次第で利益率は大きく変わります。
本記事では2025年時点の最新データを用いて、
- 1人サロンとスタッフ雇用サロンそれぞれの年収を売上別にシミュレーション
- リスクを抑えて収益率を高める選択肢として注目される シェアサロン〈SALOWIN〉 のモデルを徹底比較
- さらに 2024–25年の業界トレンド から“勝てる独立戦略”を提案
独立前の「いくら稼げるの?」という疑問を数字と事例で解消し、次の一歩を後押しします。
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美容師の平均年収は“284万円 → 379.7万円”へ上昇
2019 年当時の厚労省統計では**平均年収 284 万円(平均月給 23 万円)**と報じられ、「なかなか年収が伸びない仕事」と言われていました。ところが 2023 年には平均月給が 28.7 万円 まで伸び、賞与込みの 推計年収は 379.7 万円 に到達──わずか 6 年で +95.7 万円(+33%) のジャンプアップです。
年 | 平均月収 | 推計年収 | 出典 |
2017年 | 23万円 | 284万円 | 厚労省『賃金構造基本統計調査』(平成29年) |
2023年 | 28.7万円 | 379.7万円 | 厚労省『賃金構造基本統計調査』(令和5年) |
役職別・最新の目安レンジ
ポジション | 推定年収 | 出典 |
---|---|---|
アシスタント | 180~220万円 | 求人平均(リジョブ,2025/3) |
スタイリスト | 300~360万円 | 同上 |
店長・マネージャー | 400万円〜500万円 | 同上 |
正社員として 500 万円超 を狙うには、“超人気サロンの幹部” か “歩合比率が高いサロン” に在籍する必要があるのが現状です。
美容師が独立すると年収はいくらになるかシミュレーション
一般的に、美容室を経営する場合に必要なコストは、人件費35%、材料費10%、賃料10%、販促費10%、その他15%程度を見ておくと良いでしょう。そのため、売上に対して80%程度はコストとして消費される。ということです。
従って、オーナーの取り分となるのは売上からコスト80%を引いた20%がオーナーの取り分と言えるでしょう。また、従業員を雇用しない1人運営の場合は55%がオーナー取り分になります。
では、売上高別にオーナーの収入をシミュレーションしてみましょう。
売上高 | オーナー1人のみ (売上に対して55%が取り分) |
従業員を雇用する場合 (売上に対して20%が取り分) |
100,000 | 55,000 | 20,000 |
200,000 | 110,000 | 40,000 |
300,000 | 165,000 | 60,000 |
400,000 | 220,000 | 80,000 |
500,000 | 275,000 | 100,000 |
600,000 | 330,000 | 120,000 |
700,000 | 385,000 | 140,000 |
800,000 | 440,000 | 160,000 |
900,000 | 495,000 | 180,000 |
1,000,000 | 550,000 | 200,000 |
1,100,000 | 605,000 | 220,000 |
1,200,000 | 660,000 | 240,000 |
1,300,000 | 715,000 | 260,000 |
1,400,000 | 770,000 | 280,000 |
1,500,000 | 825,000 | 300,000 |
オーナー美容師が年収360万円を達成するための条件
月に30万円程度の収入が確保できないとなかなか日々の生活も満足に送ることができないでしょう。そこで、オーナーとして、まずは最低限確保したい年収360万円(月給30万円)を達成させるための条件をお伝えします。
- 営業日数:24日
- 客単価:6,000円
- 目標月収:30万円
オーナーのみで年収360万円を目指す場合
必要売上:54.5万円 1日あたりの客数:3.8人 月間集客コスト上限:5万円 取り分率:55% |
まず、オーナー1人のみで営業する場合は、月間売上高54.5万円、客数91人が必要になりますので、1日あたり3.8人のお客様を接客する必要があります。
1日4人弱ということなので、サロンの営業時間は8時間も確保しておけば十分でしょう。ただし、集客に使える予算は月に5万円程度になりますのでホットペッパービュティーを使わずに1日4人弱の集客を実現する必要があります。
そのため、独立前に固定客をしっかりと確保することやなるべく競合が少ない1階路面店舗へ出店するなど綿密な戦略が必要になることは変わらないでしょう。
従業員を雇用し年収360万円を目指す場合
必要売上:150万円 1日あたりの客数:10.4人 月間集客コスト上限:15万円 取り分率:20% |
次に、従業員を雇用する場合は、月間売上高150万円、客数250人が必要になりますので、1日あたり10.4人のお客様を接客する必要があります。
この場合、サロンの営業時間を10時間とすると、1時間あたり1人のお客様を接客している計算になります。土日などの繁忙期に予約枠を最大限に確保できるようにスタッフはスタイリスト1名、アシスタント1名程度の確保はしたいところです。(これで1人あたりの売上高が50万円になりますので平均的な数字と言えるでしょう。)
セット面としては4席あれば十分だと言えますが、1人しかスタイリストがいませんので退職者が出てしまうと急速に経営状況は悪化してしまうリスクがあります。
また、集客に使えるコストは月に15万円までになりますので、1階路面店舗でなるべく賃料が安い場所に出店することが重要です。理想は坪単価1万円が基準になるでしょう。
オーナー年収1000万円を目指すために必要な条件
さて、オーナーになって年収360万円なんて夢が無さ過ぎる…と考える人も非常に多いことでしょう。そこで、年収1000万円を達成させるための条件を計算してみたいと思います。
- 営業日数:24日
- 客単価:6,000円
- 目標月収:83万円
オーナーのみで年収1000万円を目指す場合
必要売上:151万円 1日あたりの客数:10.5人 月間集客コスト上限:15万円 取り分率:55% |
まず、オーナー1人のみで営業する場合は、月間売上高151万円、客数253人が必要になりますので、1日あたり10.5人のお客様を接客する必要があります。
この場合、サロンの営業時間は最低でも12時間程度は必要になると言えるでしょう。10時〜22時までほぼノンストップでお客様が入り続ける状態にしなければ年収1000万円は達成しませんので非常に高い目標と言えるでしょう。
もちろん、販促費で使える予算は月に15万円程度しかありませんので、ホットペッパービュティーに掲載しようにも集客が期待できる上位プランの契約は難しく自力集客が求められることになります。
従業員を雇用し年収1000万円を目指す場合
必要売上:416万円 1日あたりの客数:29人 月間集客コスト上限:40万円 取り分率:20% |
次に、従業員を雇用する場合は、月間売上高416万円、客数694人が必要になりますので、1日あたり29人のお客様を接客する必要があります。
この場合、サロンの営業時間を上記同様に12時間とすると、1時間あたり2.4人のお客様を接客している計算になります。土日などの繁忙期に予約枠を最大限に確保できるようにスタッフはスタイリスト4名、アシスタント2名程度の確保はしたいところです。(これで1人あたりの売上高が60万円になりますので平均的な数字と言えるでしょう。)
従業員を雇用する場合は、席数を確保できる広いサロン(上記の場合は6席は必要)を作る必要がありますので、その分だけ初期費用や賃料が増加します。
スタッフが常に確保できるなら問題ありませんが、退職が続くと店舗の売上も減少し、賃料負担率が急激に上がり経営が悪化する危険性があります。
シェアサロンと独立開業時の年収を比較
さて、ここまでオーナーになった場合にいくらの年収が稼げるのか?売上高別にシミュレーションしました。月給30万円程度であれば再現性も高いと言えるでしょうが、年収1000万円になると相当ハードルは上がると言えます。
では、美容師の独立手段のもう1つの方法として、最近注目を集めるシェアサロンへ入居した場合は、オーナーの年収がどのように変わるのか?独立し自分のサロンを持つ場合と比較してみましょう。
売上高 | シェアサロン(SALOWIN ) 売上80%-固定5万円-薬剤10% |
個室占有型シェアサロン (SALOWIN Suite) 売上10%+固定23万円+薬剤10% ※原宿Suite店Bプランの場合 |
オーナー1人のみ (売上に対して55%が取り分) |
従業員を雇用する場合 (売上に対して20%が取り分) |
400,000 | 230,000 | 150,000 | 220,000 | 80,000 |
500,000 | 300,000 | 245,000 | 275,000 | 100,000 |
600,000 | 370,000 | 340,000 | 330,000 | 120,000 |
700,000 | 440,000 | 450,000 | 385,000 | 140,000 |
800,000 | 510,000 | 492,000 | 440,000 | 160,000 |
900,000 | 580,000 | 535,000 | 495,000 | 180,000 |
1,000,000 | 650,000 | 620,000 | 550,000 | 200,000 |
1,100,000 | 720,000 | 705,000 | 605,000 | 220,000 |
1,200,000 | 790,000 | 790,000 | 660,000 | 240,000 |
1,300,000 | 860,000 | 875,000 | 715,000 | 260,000 |
1,400,000 | 930,000 | 960,000 | 770,000 | 280,000 |
1,500,000 | 1,000,000 | 1,045,000 | 825,000 | 300,000 |
驚きの結果だと思いますが、オーナーとして独立し自分のサロンを作るよりもシェアサロンを利用した方が自分の収入が増える結果となりました。
当社(SALOWIN)は、スタンダードプランが売上歩合20%+固定利用5万円で利用が可能になります。薬剤費は自己負担になりますので上記のシミュレーションは売上に対して10%を薬剤費としています。
さらに、個室占有プランであるSuiteプランも用意しており、売上が一定以上高い方はこちらの方が還元率が高いです。
当然、SALOWINはシェアサロンになりますので、出店に関わる費用はかからず、独立することが叶います。機材や備品関連も全てサロンでご用意しているものを使い放題になります。
もはや、借金を抱えてまで自分のサロンを持つメリットは限りなく低い状態になっていると言っても過言ではないでしょう。
まとめ
美容師が独立した場合に年収はいくらになるのか?売上高別にシミュレーションを行いました。
年収360万円程度であれば十分に再現性は高いと言えますが、年収1000万円クラスになると非常に難易度は高くなりますし、従業員を雇用する場合はリスクも増大することになります。
その点、シェアサロンであれば売上に対してオーナーの取り分が自分のお店を構えるよりも高くなります。高還元率で働くことができるので、資金をためながら自分自身の力をつけていくことも可能です。
独立を考える美容師はシェアサロンという選択も入れた上で今後のキャリアを検討すると良いでしょう。
サロウィンではフリーランス美容師のためのシェアサロンだけでなく小規模〜大規模まで美容室経営のトータルサポートサービスを提供しております。 ご相談だけでも構いませんのでお気軽にお問い合わせください。 |